夜間中学等に関する協議会開く ニーズの把握目指し議論 道教委と札幌市教委が状況説明
(道・道教委 2018-07-12付)

 道教委は十日、札幌市内の道第二水産ビルで第三回夜間中学等に関する協議会を開いた。公立夜間中学のニーズの把握について、道教委と札幌市教委の担当者が検討状況を説明。道教委では、九月を目途に石狩管内の市町村を対象として広域ニーズ調査を実施するなど、今後の予定を確認した。

 はじめに、文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室の大類由紀子室長補佐が「夜間中学の役割と今後の展望」について情報提供。夜間中学の経緯や設置状況、不登校児童生徒の推移など、夜間中学を取り巻く現状を示し、夜間中学設立促進に関する文科省の主な取組や夜間中学のニーズの把握における有効な方法などを紹介した。

 議事に移り、構成員が研究内容を報告。札幌遠友塾自主夜間中学の遠藤知恵子代表が「公立夜間中学について~自主夜間中学の経験に基づく調査・研究」と題して発表した。

 続いて、道教委義務教育課の加藤ひとみ地域連携担当課長が前回協議会で挙がった主な意見を報告した。

 このあと、「公立夜間中学へのニーズの把握」をテーマに協議。加藤地域連携担当課長と札幌市教委の井上達雄教育推進課長がそれぞれの検討状況を説明した。

 加藤地域連携担当課長は、これまでの協議会で挙がった意見を踏まえ「夜間中学に対する具体的なニーズを把握するため、関連が想定される機関・施設と連携した個別調査や、関連が想定される機関・施設の支援を受けていない人の潜在的なニーズを幅広く掘り起こし、把握することが必要」と整理。今後、九月を目途に、石狩管内の市町村を対象として広域ニーズ調査を実施するほか、関連が想定される機関・施設などとの連携による予備調査を行う予定であることを示し、教育課程に向けた学習のニーズ、施設・設備検討に向けた配慮事項の把握に努めていくことを伝えた。

 井上教育推進課長は、夜間中学への入学が想定される個人についての情報を得ることを目的に、接点がある機関・施設への調査などを行う予備調査や直接個人への個別調査を実施していく考えを示した。

 構成員からは、道内に公立の夜間中学が未だないことから「ニーズの掘り起こしのためにも、道民に広く知ってもらうことが必要」との意見が挙がったほか、学び直しの観点から夜間中学入学者のニーズに沿った丁寧な調査を求める声もあった。

(道・道教委 2018-07-12付)

その他の記事( 道・道教委)

子どもの体力向上ボトムアップ事業 講義等で指導力充実目指す 道教委が実践研究検討会議

子どもの体力向上ボトムアップ事業  道教委は十二日、札幌市内の道第二水産ビルで三十年度子どもの体力向上ボトムアップ事業「第一回実践研究検討会議」を開いた。国立教育政策研究所教育課程研究センターの高橋修一教育課程調査官が「体力...

(2018-07-18)  全て読む

小規模総合学科校等の魅力化―道教委 道立17校指定し実践 地域資源生かした指導を

 道教委は、三十年度小規模総合学科校等の高校魅力化推進事業における推進校を決定した。新規の清水高校を含む総合学科設置校、全日制普通科単位制、連携型中高一貫教育を導入している道立高校十七校を指...

(2018-07-13)  全て読む

道徳教材『きた ものがたり』 小5~中1生へ配布 道みんの日に合わせ道教委

 道教委は、北海道みんなの日(=道みんの日、七月十七日)に合わせて、本道にゆかりのある人物などを取り上げた北海道版道徳教材『きた ものがたり』を冊子として道内の小学校五・六年生および中学校一...

(2018-07-13)  全て読む

公民館的機能活用した地域力向上事業―道教委 6自治体をモデル市町村に 官民協働で地域課題解決へ

 道教委は、本年度から三ヵ年計画で取り組む公民館的な機能を活用した“地域力向上モデル”構築事業の本年度モデル市町村を決定した。三笠市、新篠津村、白老町、美瑛町、浦幌町、白糠町の六市町村に決定...

(2018-07-12)  全て読む

道教委の小・中新任主幹教諭研修会 90人が講義や演習で研鑚 服務や危機管理など学ぶ

小中新任主幹教諭研修会  道教委は六日、札幌市内の道第二水産ビルで三十年度公立小・中学校新任主幹教諭研修会を開いた。従来、各地域で行っていたものを、本年度から道内一会場で開催。学校の組織マネジメント、教職員の服務、...

(2018-07-12)  全て読む

生活習慣改善プログラム推進校―道教委の新規事業 仁宇布など3中学校指定 生徒主体で独自に取組展開

 道教委は、本年度から新たに取り組む早寝早起き朝ごはん推進校事業「道子どもの生活習慣づくり推進校における生活習慣改善プログラム」の推進校を決定した。美深町立仁宇布中学校、訓子府町立訓子府中学...

(2018-07-11)  全て読む

学校力向上総合実践推進協開く―道教委 若手育成のポイント確認 国研・藤原総括研究官が講話

学校力向上総合実践推進協  道教委は九日、札幌市内の北農健保会館で三十年度第一回学校力向上に関する総合実践事業推進協議会を開いた。国立教育政策研究所の藤原文雄総括研究官が「実践指定校の校長に期待すること」と題して講話...

(2018-07-11)  全て読む

道徳教育推進校が決定―道教委 28校指定し授業研究 「考え、議論する道徳」目指す

 道教委は、三十年度道道徳教育推進事業における道徳教育推進校を決定した。岩見沢市立美園小学校、岩見沢市立光陵中学校などの新規を含む二十八校を指定。推進校のうち、小学校は「特別の教科 道徳」の...

(2018-07-10)  全て読む

石狩局が生徒指導研究協議会 諸問題に関し共通理解 講演やグループ協議などで研鑚

生徒指導研究協議会  石狩教育局は六月二十八日から二日間、札幌市内の道第二水産ビルで生徒指導研究協議会を開いた。管内の小・中学校、高校、特別支援学校の教員や保護者など約六十人が参加。講演や全体会、グループ協議な...

(2018-07-06)  全て読む

道実践的安全教育モデル構築地域―文科省委託で道教委 網走、中標津、南富良野に決定 テーマは生活・交通・災害

 三十年度文部科学省委託事業「道実践的安全教育モデル構築事業」のモデル地域に網走市、中標津町、南富良野町が決定した。重点的に取り組む領域として、網走市は「防犯を含む生活安全」、中標津町は「交...

(2018-07-06)  全て読む