道教委が道徳教育推進会議開く 改善・充実目指し研鑚 道徳教材活用に向け協議も(道・道教委 2018-07-18付)
中治指導主事は、考え、議論する道徳に向けたポイントを示した
道教委は十三日、札幌市内の道第二水産ビルで三十年度第一回道道徳教育推進会議を開いた。東京都大田区教育委員会の中治謙一指導主事が「新学習指導要領の趣旨に基づく道徳教育の推進について~“特別の教科 道徳”の特質を踏まえた授業づくり」と題して講話。また、北海道版道徳教材『きた ものがたり』の活用事例集作成に向けた協議も開始するなど、道徳教育の改善・充実に向けて研鑚を積んだ。
道徳教育の抜本的改善・充実にかかる支援事業の一環。管内の道徳教育を推進するミドルリーダーの資質・能力の向上、北海道版道徳教材『きた ものがたり』活用事例集の作成など、道内の道徳教育の改善・充実に向けた協議を行うもの。
道内各地の道徳教育推進校の道徳教育推進教師、各教育局の指導主事など約百人が参加した。
はじめに、義務教育課の川端香代子主幹があいさつ。北海道百五十年事業の一環として作成した『きた ものがたり』の小学校高学年、中学生用の冊子が完成し、道内の小学五・六年生、中学一年生に配布していることを伝え、資料の活用事例集の完成に向け、協力を呼びかけた。
全体会では、各市町村、学校における道徳科の授業改善に向けた取組の推進状況や課題について交流。道徳科の特質を生かした学習指導過程、「考え、議論する道徳」に向けた授業改善、道徳科の多様な展開、評価の在り方について協議した。
つぎに、東京都大田区教委の中治指導主事が「新学習指導要領の趣旨に基づく道徳教育の推進について~“特別の教科 道徳”の特質を踏まえた授業づくり」と題して講話した。
中治指導主事は、「特別の教科、道徳」の授業の第一の特質として「適切な行為を主体的に選択し、実践する“内面的資質”の育成」を指摘。
考え、議論する道徳に向けては、「登場人物への自我関与を中心とした学習の工夫」「問題解決的な学習の工夫」「道徳的行為に関する体験的な学習」などのポイントを示した。
自我関与を中心とする学習では、「物語の登場人物に対する共感ではなく、追体験を中心とする学習の工夫が大切」「問題設定、話し合い、振り返り・まとめの流れで問題解決に向かうことを覚えてほしい」と呼びかけた。
また、体験的な学習の例では、適切なインターネットの利用について悩む子どもの善と悪双方の心の役割を演じる演習も実施。即興性を重視した子どものかかわりが重要としつつ、児童全員が参加を実感できるウォーミングアップの工夫、配役など、各段階における教員の役割の大切さを強調した。
午後の部会では、今後の道徳教育に関する取組の改善・充実について話し合ったほか、『きた ものがたり』活用事例集の作成に向けて協議した。
(道・道教委 2018-07-18付)
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