３０年度がん教育総合支援事業―道教委　文科省委託　新規推進校に８校指定　講演会等行い実践事例作成

（道・道教委 2018-07-20付）

　道教委は、文部科学省の委託事業「がん教育総合支援事業」の三十年度推進校を決定した。すべて新規で、札幌市立中の島中学校など八校を指定。各推進校では、がん教育に関する事業計画の作成、外部講師による生徒向け講演会、教職員研修会の開催など、がんやがん患者、命の大切さへの理解を深める取組を進める。道教委は、推進校の取組を『がんの教育に関する実践事例』としてまとめ、道内の市町村教委、学校に広く周知する。

　道は、二十四年度に道がん対策推進条例を制定。教育関係者は、児童生徒ががんに関する理解を深めるための教育の推進に努めるとともに、道が実施するがん対策に協力することとしている。

　道教委では、二十六年度から文科省の委託を受けて「がん教育総合支援事業」を開始。がんに対する理解とがん患者に対する正しい認識、命の大切さについて理解を深めるとともに、新学習指導要領への対応、地域の実情に応じたがん教育の推進を目指し、各種取組を展開している。

　取組の一環として、学識経験者や学校関係者、学校医、医療関係者、ＰＴＡ関係者などからなるがんに関する連絡協議会を開催。道内の実情を踏まえ、道教委が作成する「がん教育に関する計画」に対し指導助言を行うほか、がん教育推進校で実施するアンケートの実施時期、対象範囲、方法等の設定、道教委がまとめた事業の成果についての指導助言などを行う。

　また、発達段階に応じたがん教育における指導内容の設定などを検討するため、先進的な取組を実施する「がん教育推進校」を指定。本年度は、札幌市立中の島中、鹿追町立瓜幕中学校、鹿追町立鹿追中学校、中標津町立計根別学園後期課程、小樽潮陵高校、上磯高校、富良野高校、鹿追高校の八校を新たに指定した。

　推進校は、①がん教育推進に向けた校内検討会の開催②がん教育に関する事業計画の作成と実施③医療関係者等の専門家やがん経験者等外部講師による生徒向け講話の実施④がん教育研修会への参加と自校における研修成果の普及⑤事業開始前・事業終了後におけるアンケートの実施⑥公開授業・学校通信・学校Ｗｅｂサイトなどによる取組の公表・周知⑦事業報告書の作成―を実施する。

　また、道教委は「教職員等を対象としたがんの新しい知識や理解を図る」「医療関係者やがん経験者などの外部講師を対象としたがん教育を実施する上での指導方法等を充実させる」ことを目的としたがん教育に関する研修会を開催する。

　このほか、推進校の取組を『がんの教育に関する実践事例』としてまとめ、Ｗｅｂサイトなどを活用して市町村教委、学校へ広く周知する。

(道・道教委 2018-07-20付)