30年度全国学力・学習状況調査結果の概要―道教委 PDCA確立、全国平均大幅に上回る 1日の勉強時間等で課題
(道・道教委 2018-08-01付)

 道教委が七月三十一日に発表した三十年度全国学力・学習状況調査の本道分調査結果をみると、一日当たり一時間以上勉強する児童生徒の割合は依然として全国平均より低く、放課後に家でテレビやビデオ・DVDを見たり、ゲーム、インターネットをする児童生徒は全国平均より高かった。一方、学校における指導では、児童生徒の姿や地域の現状などに関する調査、各種データなどに基づき、教育課程を編成・実施し、評価、改善を図るPDCAサイクルの確立を「よくしている」と回答した学校の割合は二十九年度よりも高く、全国平均を大きく上回った。主な調査項目の概要はつぎのとおり。

【教科に関する調査】

▼小学校国語A

 少数値でみると、平均正答率は七〇・一%。全国との差は、マイナス一・一ポイントからマイナス〇・六ポイントと縮まった。

 全国の下位二五%と同じ正当数の範囲に含まれる児童の割合は二二・二%。全国との差は二十九年度より一・六ポイント改善し、〇・二ポイントまで縮んでいる。

▼小学校国語B

 平均正答率は五二・七%。全国との差は二十九年度のマイナス一・二ポイントからマイナス二・〇ポイントへと広がった。

 下位約二五%は二〇・四%で、全国よりも一・八ポイント多かった。

▼小学校算数A

 平均正答率は六二・二%。全国との差はマイナス一・三ポイントで、二十九年度と同じ。

 下位約二五%は二五・七%で、全国よりも一・四ポイント多い。二十九年度と比べ、差は〇・八ポイント改善した。

▼小学校算数B

 平均正答率は四八・七%。全国との差は、二十九年度のマイナス二・四ポイントからマイナス二・八ポイントへと広がった。

 下位約二五%は二二・二%で、全国よりも二・六ポイント多い。二十九年度より〇・六ポイント改善している。

▼小学校理科

 平均正答率は五八・八%。全国との差はマイナス一・五ポイントで、前回調査の二十七年度と同じだった。

 下位約二五%は一九・四%で、全国よりも一・四ポイント多く、二十七年度より〇・五ポイント改善した。

▼中学校国語A

 平均正答率は七六・六%。全国との差は二十九年度のマイナス〇・七ポイントからプラス五・〇ポイントへと改善。全国を上回った。

 下位約二五%は二二・二%で、全国よりも一・〇ポイント少ない。二十九年度と比べ、二・九ポイントと大きく改善している。

▼中学校国語B

 平均正答率は六一・二%。全国との差は、二十九年度のマイナス〇・五ポイントから〇・〇ポイントへと縮まり、全国と並んだ。

 下位約二五%は一七・三%で、全国よりも〇・二ポイント少ない。二十九年度より〇・九ポイント改善した。

▼中学校数学A

 平均正答率は六四・九%。全国との差は、二十九年度のマイナス〇・九ポイントからマイナス一・二ポイントへと広がった。

 下位約二五%は二五・七%で、全国よりも二・四ポイント多く、二十九年度より〇・三ポイント多くなった。

▼中学校数学B

 平均正答率は四五・八%。全国との差は、二十九年度のマイナス一・二ポイントからマイナス一・一ポイントへとやや縮まった。

 下位約二五%は二四・八%で、全国よりも二・〇ポイント多かった。

▼中学校理科

 平均正答率は六六・七%。全国との差は、前回調査の二十七年度のプラス〇・三ポイントからプラス〇・六ポイントへと広がった。

 下位約二五%は一九・五%で、全国よりも一・四ポイント少ない。二十七年度より〇・六ポイント改善している。

【児童生徒質問紙調査】

 普段、一日当たり一時間以上勉強する児童生徒の割合は、小学校で五七・一%、中学校で六四・七%。二十九年度と比べ、小学校で同じ、中学校で〇・五ポイント高い。全国と比べ、小学校で九・一ポイント、中学校で五・九ポイント低い。

 放課後、家でテレビやビデオ・DVDを見たり、ゲームをしたり、インターネットをしたりしている児童生徒は、小学校で八六・〇%、中学校で八二・五%。全国との比較では、小学校で五・〇ポイント、中学校で五・二ポイント高かった。

【学校質問紙調査】

 児童生徒の姿や地域の現状などに関する調査、各種データなどに基づき、教育課程を編成・実施し、評価、改善を図るPDCAサイクルの確立を「よくしている」と回答した学校の割合は、小学校で四八・五%、中学校で四五・〇%。二十九年度と比べ、小学校で六・七ポイント、中学校で五・三ポイント高い。全国との比較では、小学校で一三・七ポイント、中学校で一四・三ポイント高かった。

 二十九年度全国学力・学習状況調査の自校の分析結果について、調査対象学年・教科だけでなく、学校全体で教育活動を改善するための活用を「よく行った」学校の割合は、小学校で六四・〇%、中学校で五九・三%。

 二十九年度と比べ、小学校で〇・一ポイント低く、中学校では三・一ポイント高い。全国と比べ、小学校で二一・三ポイント、中学校で二五・〇ポイント高い。

(道・道教委 2018-08-01付)

その他の記事( 道・道教委)

道研が副校長・教頭経験者研開く 北村所長 目指す目標共有を マネジメントの在り方学ぶ

副校長教頭経験者研修小中高特  道立教育研究所は七月三十日から二日間、三十年度副校長・教頭経験者研修講座(小中高特)を開いた。初日は、北村善春所長が「副校長・教頭に期待すること」と題して講義・演習を実施。受講者は、学校組...

(2018-08-02)  全て読む

早起き・職場見学デー―道と道教委 職員の子が様々な体験活動 尊敬する気持ち深める

 夏休み期間の七月三十一日、道と道教委は、道庁および道庁別館で早起き・職場見学デーを実施した。両親の職場を見学したほか、防災、エゾシカ対策など六ブースで様々な体験活動を実施。知事部局および道...

(2018-08-02)  全て読む

高校学校サポーター派遣事業―道教委 新規3校含む12校指定 始業前の学習補助などで支援

 道教委は、三十年度道高校学校サポーター派遣事業の指定校を決定した。新規の江別高校定時制、野幌高校、上富良野高校の三校を含む十二校を指定。授業における学習の補助や始業前・放課後等における復習...

(2018-08-02)  全て読む

熱中症から子を守ろう 事故防止リーフレット―道教委

 道教委は、熱中症事故の防止に向けた教職員向けのリーフレット『熱中症から子どもたちを守りましょう』を作成した。暑さ指数(湿度、周辺の熱環境、気温を含む熱中症予防のための指標)に応じた注意事項...

(2018-08-01)  全て読む

三十年度全国学力・学習状況調査結果 道教委佐藤教育長コメント

 三十年度全国学力・学習状況調査結果に関する道教委・佐藤嘉大教育長のコメントはつぎのとおり。           ◇          ◇          ◇  三十年度全国学力・学習...

(2018-08-01)  全て読む

上川局が就学事務担当者等研開く 支援体制充実へ研鑚深める

就学事務担当者等研修会  【旭川発】上川教育局は七月中旬、上川合同庁舎で管内市町村教育委員会就学事務担当者等研修会を開いた。小・中学校教員や教育委員会職員計四十一人が参加。本道の特別支援教育における現状と課題を踏ま...

(2018-08-01)  全て読む

30年度全国学力・学習状況調査―道教委発表 中学校国語Aなど全国上回る 今後も関係者一体で取組

道内公立学校30年度各教科の平均正答率・数  道教委は七月三十一日、三十年度全国学力・学習状況調査結果を発表した。教科に関する調査結果をみると、中学校では、国語A、理科で全国を上回り、国語Bは全国と同じ結果となった。前年度と比べると、...

(2018-08-01)  全て読む

道教委―第2回高校配置計画検討協 檜山学区 存続へ定数の改善を

檜山管内高校配置協議会  【江差発】道教委は十八日、檜山合同庁舎で第二回公立高校配置計画地域別検討協議会を開いた。各町教委の教育長や高校長など十六人が出席。檜山学区における三十七年度までの中卒者数の見通しと学級数に...

(2018-07-31)  全て読む

少年の主張オホーツク地区大会 最優秀に美幌町北中・田元君 あたりまえという名の奇跡

 【網走発】オホーツク総合振興局主催の少年の主張オホーツク地区大会が十九日、網走市立第一中学校で開かれた。管内の中学生十人が日ごろの生活で感じたことなどを発表。最優秀賞には、「あたりまえとい...

(2018-07-31)  全て読む

学校力向上に関する総合実践事業―オホーツク局 一層の活動充実へ研鑚 関係校協議会で情報共有

学校力向上関係校協議会  【網走発】オホーツク教育局は二十三日、網走市内のオホーツク合同庁舎で学校力向上に関する総合実践事業関係校協議会を開いた。事業の実践指定校および連携校の校長、教務主任など十六人が参加。実践発...

(2018-07-31)  全て読む