渡島管内道立学校・市町の文科省・道教委指定事業―渡島局まとめ 「道道徳教育推進校事業」など 各校で31研究事業推進(道・道教委 2018-08-02付)
【函館発】渡島教育局は、本年度の道立学校や市町立学校における文部科学省および道教委、同局の研究指定校の一覧をまとめた。本年度は、合わせて三十一の研究事業を各校で進めていく。新規では、文科省の「道道徳教育推進校事業(道徳教育の抜本的改善・充実に関する事業)」に、函館市立青柳中学校、森町立尾白内小学校の二校が指定を受けた。そのほか、道教委の「学校力向上に関する総合実践事業」で北斗市立久根別小学校、七飯町立七重小学校が本年度から実践校に指定された。
指定事業の概要はつぎのとおり。
【文部科学省】
▼教育課程特例校
▽指定先=知内町(知内小、涌元小、湯ノ里小)
学校が設置されている地域の実態に照らし、より効果的な教育を実施するため、当該学校または当該地域の特色を生かした特別の教育課程を編成して教育を実施する必要などが認められる場合に、当該学校を教育課程特例校として、小学校における「外国語活動」について研究する。
▼教育課程研究指定校事業
▽指定先=長万部高、長万部町立長万部中
学校における教育課程および指導方法などについて調査研究を行い、もって学校における学習指導の改善充実および教育課程の基準の改善に資する。研究内容は、両校の校種間連携について。
▼研究開発学校
▽指定先=南茅部高
小規模校や離島の高校の教育水準の維持向上を図るため、全日制および定時制課程高校におけるメディアを利用して行う遠隔授業の対面によって行う授業時数を緩和した単位認定の在り方ならびに指導方法についての研究開発の実施。
▼道道徳教育推進校事業(道徳教育の抜本的改善・充実に関する事業)
▽指定先=森町立尾白内小、函館市立青柳中
学習指導要領などの趣旨ならびに児童生徒、学校、家庭および地域などの実態を踏まえ、創意工夫を生かした道徳教育の実践研究を行い、その成果を普及することによって、道内の道徳教育の充実に資する。
▼地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業
▽指定先=長万部町(長万部小、静狩小)
子どもが登下校時などに事件や事故に巻き込まれる事案が社会問題となっていることを踏まえ、子どもたちが安全で安心して教育を受けられるよう、学校、家庭、地域社会が一体となって、学校や通学路における子どもの安全・安心の確保に取り組む体制を整備する。
▼発達障がい支援成果普及事業
▽指定先=推進地域―八雲町、推進校―知内町立知内幼、知内小、涌元小、湯ノ里小、知内中、知内高
本道のすべての教員の発達障がいに関する専門性の向上を図るため、各管内に推進校を指定するとともに、発達障がいのある子どもやその保護者への早期からの教育相談や支援体制の充実を図るため、道内の全管内に推進地域を指定し、その取組の成果を広く道内に普及し、もって本道における発達障がいの可能性のある幼児児童生徒の支援の充実を図る。
▼スクールソーシャルワーカー活用事業
▽指定先=北斗市の全小・中学校
いじめ、不登校、暴力行為、児童虐待など生徒指導上の課題に対応するため、教育分野に関する知識に加え、社会福祉などの専門的な知識・技術を用いて、児童生徒の置かれた様々な環境に働きかけて支援を行うスクールソーシャルワーカーを配置し、教育相談体制を整備する。
▼スクールカウンセラー活用事業
▽指定先=函館市(青柳中、港中、巴中、湯川中、戸倉中、旭岡中、鱒川中、銭亀沢中、赤川中、桔梗中、亀田中、五稜郭中、本通中、北中、恵山中、尾札部中)、北斗市の全小・中学校、松前町立松前中、福島町立福島中、知内町立知内中、木古内町立木古内中、七飯町(大沼中、七飯中、大中山中)、八雲町(八雲中、熊石中)、長万部町立長万部中、函館中部高、函館稜北高、函館商業高、大野農業高、上磯高、松前高、森高
児童生徒の臨床心理に関して高度に専門的な知識および経験を有する人材をスクールカウンセラーとして公立学校に配置し、児童生徒へのカウンセリング、教員・保護者へ助言などを行い、児童生徒の心の悩みの深刻化やいじめ・不登校などの問題行動の未然防止、早期発見・早期対応を図る。
【道教委】
▼学校力向上に関する総合実践事業
▽実践指定校=函館市立八幡小、北斗市立久根別小、七飯町立七重小
▽連携校=函館市立亀田小、鍛神小、北美原小、桔梗小、五稜郭中
学校改善に関する先進事例や優良事例を十分踏まえ、管理職のリーダーシップのもとで全校が一つのチームとなった包括的な学校改善を推進し、学び続ける学校のモデルを提示することによって、実践の成果の普及に資するとともに、将来のスクールリーダーを継続的に輩出する新たな仕組みを構築する。
▼道高校学力向上実践事業
▽指定先=函館中部高、大野農業高
すべての生徒に対し、社会的、職業的自立に最低限必要な学力を保証するとともに、能力・進路などに応じた教育を提供するため、対象や目的を明確にした三つのモデルを設定し、各モデルに応じて、授業や家庭学習などで活用できる実用的な教材の開発や、生徒の学習内容の定着状況を把握するための学力テストなどを実施し、もって、本道の高校生の学力向上を図る。
▼高校生ステップアップ・プログラム事業
▽指定先=函館中部高定時制、函館工業高定時制
道立高校における不登校や中途退学の未然防止、自殺の予防を図るため、生徒の心の健康にかかる早期の問題認識や援助希求的態度の育成を図る取組、予防的・開発的な視点に基づく生徒の人間関係を形成する力やコミュニケーション能力の育成を図る取組の実践および教員への普及を図る高校生ステップアップ・プログラムを実施し、その成果などを全道に普及する。
▼地域医療を支える人づくりプロジェクト
▽指定先=函館中部高
将来における本道の地域医療を支える人材を育成するため、医学部への進学を目指す道立高校の生徒に対して、地域医療の現状や医師という職業への理解を深める機会を提供し、地域医療を担う使命感を育成するとともに、教育課程や指導方法の改善・充実を図ることによって、進路希望の実現に向けた効果的な学習支援に努め、もって本道の高校教育全体の活性化に資する。
▼高校英語力向上事業
▽指定先=函館工業高
学科の特性などに応じて英語の活用場面を想定した三タイプの学習プログラムの開発を通じ、道立高校および中等教育学校における英語の授業の改善・充実を図り、もって、道立高校などの生徒の英語力の向上を図る。
▼授業改善推進チーム活用事業
▽指定先=七飯町(七重小、大中山小、藤城小)
児童の学力向上に積極的に取り組もうとする複数の小学校に一人ずつ授業改善推進教員を配置し、その推進教員からなる授業改善推進チームを活用して学校全体の授業改善に取り組む。
▼小学校外国語活動巡回指導教員研修事業
▽指定先=函館市(本務校―中の沢小、高盛小、兼務校―本通小、万年橋小、旭岡小、摩光小、戸井西小、日新小、桔梗小、千代ヶ岱小、上湯川小、えさん小、椴法華小)、七飯町(本務校―七重小、兼務校―大沼小、軍川小、東大沼小、峠下小、藤城小、大中山小)、森町(本務校―尾白内小、兼務校―森小、鷲ノ木小、さわら小、駒ヶ岳小、濁川小)
小学校外国語活動において豊富な経験と高い専門性、実践的指導力を有する教員が複数の学校を巡回し、学級担任とのチーム・ティーチングや模範授業、小学校外国語活動に関する教員研修の企画および教員への指導助言などを行い、小学校教員の外国語活動などの指導力と英語力の向上を図る。
▼ほっかいどう学力向上推進事業(授業改善支援事業)
▽指定先=鹿部町(鹿部小、鹿部中)
各管内の学力向上の課題などを解決するため、地域や学校の実情に応じた集中的・継続的な支援を行うことによって、当該地域や学校の学力向上の取組の充実を図るとともに、その成果を普及し本道の児童生徒の学力向上に資する。
▼ほっかいどう学力向上推進事業(小中一貫教育支援事業)
▽指定先=松前町(大島小、小島小、松城小、松前中)、八雲町(落部小、落部中)
中学校区における目指す子ども像の設定および小・中学校の教職員・保護者・地域住民による共有、小・中学校九年間を通じた教育課程の編成・実施など、地域の実情に応じた小中一貫教育の導入および円滑な実施への取組を支援することによって、義務教育の質の向上を図る。
▼道ふるさと教育・観光教育等推進事業
▽指定先=函館市立椴法華小、福島町立福島中、知内町立涌元小、木古内町立木古内中、七飯町立峠下小、長万部町立長万部小
道徳、総合的な学習の時間、特別活動などにおいて、「アイヌの人たちの歴史・文化等」と「北方領土」の学習を取り上げたり、北海道の自然や文化、観光産業などの教育資源を活用したりすることによって、北海道についての理解を深め、郷土に対する愛着や誇りを育むふるさと教育・観光教育の充実を図る。
▼校内研修コーディネーター配置事業
▽指定先=函館市(本務校―中部小、兼務校―北星小、東小)、知内町(本務校―涌元小、兼務校―知内小、湯ノ里小、知内中)
小規模校における若手教員に対する継続的な研修の実施や校内研修体制の改善などを行う教職経験豊かな教員(校内研修コーディネーター)を配置し、教員の実践的指導力の向上を図る。
▼中1ギャップ問題未然防止事業
▽指定先=長万部町(長万部小、静狩小、長万部中)
小学校六年生が中学校一年生に進学した際、社会的スキルの定着が不十分などの個人的な要因あるいは、家庭的な要因などを抱えた子どもが学習環境や生活環境などの大きな変化に適応できないといった小・中学校間の接続の問題を解消するため、子どもの人間関係づくりの能力の育成や小・中学校間の連携を促進するとともに、家庭や関係機関との情報共有を図る取組を実施する。
▼体育専科教員活用事業
▽指定先=函館市立桔梗小、松前町(本務校―松城小、兼務校―大島小、小島小)、福島町(本務校―福島小、兼務校―吉岡小)、森町立さわら小
体育を専門とする教員を児童の体力向上に積極的に取り組もうとする小学校などに配置し、学級担任などとのチーム・ティーチングによる指導や授業づくりの支援などを行い、小学校教員の体育に関する指導力の向上や学校全体の体力向上の取組の充実を図る。
▼子どもの体力向上ボトムアップ事業
▽指定先=北斗市立上磯中、函館中部高
児童生徒向けの運動プログラムの作成や授業改善に向けた実践研究などを通して、学校、家庭、地域、行政が共通理解のもと、学校などにおける体力向上の取組の改善・充実や教員の指導力向上を図るなどして、児童生徒の体力向上を推進する。
▼キッズISО14000プログラム事業
▽指定先=七飯町立軍川小
地球温暖化をはじめとする環境問題の解決に向けた環境教育の取組の一つとして、子どもたちが家庭における省エネルギーなどの取組を通じて環境マネジメントの手法を学ぶ環境教育プログラムを実施する。
▼学校図書館活用促進事業
▽指定先=松前町立松前中
児童生徒の学校図書館利用、授業における学校図書館の活用など、計画的な学校図書館の活用を目指す。
【渡島教育局】
▼学習指導
▽指定先=松前町立松城小
「主体的に学び、自分の思いや考えを表現する子を目指して~生活科・社会科において、他者に目を向け、学び合う指導の工夫」を研究主題に、主体的に学ぶための課題設定と学びの連続性を意識した単元計画の作成によって、確かな学力の定着を図る。
▼学習指導
▽指定先=森町立森中
「生徒の自尊感情を高め、生きる意欲を育む授業力の向上~わかる、できる、知的な授業の展開を通して」を研究主題に、すべての生徒に「わかる・できる」を実感させ、自己肯定感を高める授業改善によって、確かな学力の向上を図る。
▼学習指導
▽指定先=北斗市立久根別小
「見通しをもって学び、伝え合い、深め合う子どもの育成」を研究主題に、授業力向上・教育課程改善・学力向上・学習規律徹底の四つの視点から組織的に取り組み、確かな学力の定着を図る。
▼防災教育
▽指定先=鹿部町立鹿部小
「地域の関係機関と連携を図った防災教育の充実」を研究主題に、一日防災学校などの防災教育の充実によって、児童が災害の危険を理解し、安全な行動ができることを目指した研究を進める。
▼道徳教育
▽指定先=八雲町立熊石小
「互いによさを認め合う子どもの育成~自己とのかかわりで、多面的・多角的に物事を考えるための指導・評価の工夫」を研究主題に、「特別の教科 道徳」における発問の工夫や学習意欲を高め、道徳性の向上につなげる評価についての研究を進める。
▼学習指導
▽指定先=知内町立知内中
「自分の考えを持ち、伝え合い、協働できる生徒の育成~主体的・対話的で深い学びの視点を通して」を研究主題に、学習の成果を実感できる振り返りなどを通じた主体的・対話的で深い学びの実現を目指した研究を進める。
▼学習指導
▽指定先=函館市立北中
「“生き抜く力”を育む学習指導の工夫~主体的・対話的で深い学びを追究した授業づくり」を研究主題に、授業改善と生活改善の二つの視点から生徒に生き抜く力を育む研究を進める。
(道・道教委 2018-08-02付)
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