第53回研究大会・総会開催―道倫研 「多様性社会と倫理」主題に 児玉京大准教授の講演など
(関係団体 2018-08-08付)

道倫研第53回総会・研究大会
総会では9月以降に5回学習会を開催することとした

 道高校「倫理」「現代社会」研究会(=道倫研、元紺谷尊広会長)は一日、札幌市内のかでる2・7で総会および第五十三回研究大会を開いた。研究大会では、「多様性社会と倫理」を主題に研究協議等を実施。また、京都大学の児玉聡准教授が「生命と倫理について」をテーマに講演した。

総会では、三十年度事業計画・役員を決定。役員改選では元紺谷会長を再任した。

 総会では元紺谷会長があいさつ。同会が常に先を見通した研究を進めていることにふれ「きょうの講演や海外視察報告などを通して見識を深め、また二学期から子どもたちと向き合ってほしい」と期待した。

 議事に入り、二十九年度の事業報告や会計決算・監査報告を承認。また、九月以降に五回学習会を開催することなどを盛り込んだ三十年度の事業計画を決定した。

 役員改選では、元紺谷会長を再任した。

 研究大会では、京都大の児玉准教授が「生命と倫理について」をテーマに講演。ライブサイエンスや医療の倫理的・社会的側面について研究する生命倫理学の分野について解説した。

 生殖補助医療については、体外受精によって精子・卵子の提供や代理出産などが可能となったものの、法整備が不十分なことを指摘。法整備に向けて、どのような倫理原則が重要かについて議論する必要性を強調した。

 また、人工妊娠中絶の件数が年々減っていることを紹介。この問題を議論するに当たって、「中絶は道徳的に不正か」「選択的妊娠中絶のみが道徳的に不正か」「個人の自由を尊重する社会において、道徳的に不正な行為を選ぶ権利を認めるべきか」などを視点として考えることを求めた。

 このあと、市立札幌旭丘高校の太田麻奈美講師が「発展途上国化する若者たち~ラオスの教育現場からみえてきた日本の問題点とは」と題して教育報告。また、大会主題の「多様性社会」と「倫理」を柱とした研究協議のほか、道外研修報告も行った。

 三十年度役員はつぎのとおり。=敬称略=

▽会長=元紺谷尊広(稚内校長)

▽副会長=小林孝(大麻副校長・新)

▽監査=山口晴敬(札幌月寒教諭)、中井一江(札幌北斗教諭・新)

▽事務局長=江尻憲昭(大麻教諭)

(関係団体 2018-08-08付)

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