【解説】通学適齢期の自殺者数分析

（解説 2018-08-13付）

　自殺総合対策推進センターは「昭和四十八年度から平成二十七年度における、通学適齢期の自殺者数に関する分析」の速報版を公表した。小学校から高校までの通学適齢期における日別自殺者数は、九月一日が最多。学校段階別では、中学校と高校が九月一日、小学校は十一月三十日の割合が最も高いことが分かった。

　同分析は、統計法第三三条による申請に基づき提供を受けた昭和四十八年～平成二十八年の人口動態調査の調査票情報について独自集計したもの。小学校から高校までの通学適齢期の自殺者について分析した。なお、昭和四十七年分のデータには沖縄県のデータが含まれず、分析の対象外とした。

　小学校から高校までの通学適齢期における日別自殺者数をみると、九月一日の自殺者数が最も多い。学校段階別では、中学校と高校が九月一日、小学校が十一月三十日の自殺者数の割合が最も高かった。

　各段階における旬別自殺者数では、小学校が三月上旬、中学校が九月上旬、高校が四月中旬が最も多い。

　七月下旬から九月下旬にかけての夏休みから夏休み明けに着目し、通学適齢期における直近十年の自殺者数をみると、八月下旬、九月上旬に自殺者数が多く、八月下旬に自殺者数のピークがみられる。また、地方ブロックを問わず、八月下旬に自殺者数のピークがみられた。

　各地方ブロックのうち、北海道・東北地方における直近の十年の夏休みから夏休み明けの自殺者のピークは八月下旬だった。

　結果を受け、同センターでは「九月一日という特定の日に関連した取組に限らず、夏休み後半から夏休み明けの時期にかけて、児童生徒の自殺防止に向けた取組を進めていくことが求められる」と考察している。

(解説 2018-08-13付)