【解説】大学入学共通テスト　実施方針追加分示す　

（解説 2018-08-20付）

　文部科学省は、大学入学共通テストの実施方針（追加分）を公表した。三十二年度から導入される大学入試英語成績提供システムによる試験結果の提供時期については、経済的に困難な人や病気で長期入院している人などが高校二年時の成績を活用できる例外を設けている。

　三十二年度から大学入試センター試験に代わり実施される大学入学共通テストでは、民間の資格・検定試験が参加する「大学入試英語成績提供システム」を新たに設け、英語四技能試験の結果を各大学に電子データで提供するとしている。

　試験結果の提供時期は、大学受験の早期化への懸念、居住地域や家庭の状況による受検者の不利益などを踏まえ、現役生は高校三年生の四～十二月に受検した二回に限定した。

　実施方針（追加分）では、高校二年時の成績を活用できる例外を設定。高校二年の時点で十分な成績（文科省が公表しているＣＥＦＲ対照表のＢ２以上に該当する結果）があり、「非課税世帯であるなど経済的に困難な事情を証明できる」、または「離島・へき地に居住・通学している」で、かつ高校の学びに支障がないと学校長が認めた人としている。

　また、病気などの事情によって受検できず、特別に配慮すべきとされた人も受検年度の前年度の参加試験の結果を活用できる。

　受検年度の四～十二月を含む一定期間、海外に在住していた人については、受検年度の四～十二月に受検した参加試験と同種同名の海外の試験結果を活用することが可能。既卒者については、受検年度とその前年度二年分の成績を提供できることとした。

　民間の試験結果を三十二年度以降の大学受験で使うための手続き等に関しては、今後、文科省と大学入試センターが作成するガイドラインで示す予定。

(解説 2018-08-20付)