いじめ問題解決専門家協議会等開く―道教委　共通項は信頼関係　文教大・栁生教授が講演

（道・道教委 2018-08-17付）

教育相談のポイントなどを解説する文教大の栁生教授

　道教委は六日、札幌市内のかでる２・７で三十年度道いじめ問題等解決支援外部専門家チーム全道連絡協議会・スクールカウンセラー連絡協議会・生徒指導担当指導主事等研修会を開いた。文教大学の栁生和男教授が「教育相談の効果的な実践」と題して講演。「様々なカウンセリング理論や指導法があるが、共通項は信頼関係。その上で、相手に合わせた対応が大切となる」と述べた。

　いじめの未然防止、早期発見・早期解消などの生徒指導上の諸課題の解決のため、教育相談や生徒指導の担当者を対象に講演や協議などを行い、諸課題の解決に向けた判断力・行動力等の向上を図るもの。

　道いじめ問題等解決支援外部専門家チーム員やスクールカウンセラー、市町村教委・教育局の職員など約八十人が参加した。

　齊藤準二学校教育局参事（生徒指導・学校安全）のあいさつに続き、文教大の栁生教授が「教育相談の効果的な実践」と題して講演。対象の児童生徒と面接し、直接自分の目と耳でできる限りの情報を収集するなど、児童生徒の状態を理解するアセスメントのポイントを説明し、指導・支援の流れを示した上で「様々なカウンセリング理論や指導法があるが、共通項は信頼関係。その上で、相手に合わせた対応が大切となる」と述べた。

　不登校の児童生徒に対しては、早期発見と即対応を必須とし、信頼関係を構築し、登校への刺激を与えることの重要性を指摘。問題行動に対する態度として、子どもの表情だけではなく周辺の環境にも注意を払うことなどを挙げ「行動することで共感的・受容的態度の基礎を築き、児童生徒への理解が深まり、支援、指導の戦略がみえるようになる」と述べた。

　このほか、いじめ防止週間は新学期の始まりに設定することが最善であることや、いじめ防止のカリキュラム・マネジメントと時間割作成の流れなどを解説した。

　講演後、学校教育局参事（生徒指導・学校安全）の佐藤一昭主査が道いじめ防止基本方針の改定と外部専門家の役割について説明。全員参加のいじめ等解決支援部会では外部専門家の効果的な活用、教育相談部会ではチーム学校の構築と教育相談をテーマに協議した。

　道教委の指導主事、市町村教委の職員などが対象の生徒指導部会では、いじめ防止に向けた取組について意見を交換した。

(道・道教委 2018-08-17付)