道教委が学校保健活動研修会 小児科領域での現状学ぶ アレルギー等への対応法も(道・道教委 2018-08-17付)
篠永病院教授は脳脊髄液減少症の症状について講演。十分な理解が得られず、苦慮する患者患者の声などを伝えた
道教委は七月下旬から八月上旬の二日間、札幌市内の道自治労会館で三十年度学校保健活動研修会を開いた。基調講演では、国際医療福祉大学熱海病院の篠永正道病院教授が脳脊髄液減少症の症状について講演。小児科領域での認知が不十分な現状、症状に苦しむ患者の声を伝えた。このほか、アレルギー疾患、メンタルヘルスに関する講義などを通し、児童生徒への対応について学んだ。
学校保健にかかわる教職員の健康課題に関する知識や理解を深めるとともに、学校が家庭や地域の関係機関との連携を図り、組織的・計画的に学校保健活動を推進する体制づくりを促進するため、保健管理、健康相談、保健指導に関する研修を行ったもの。
公私立学校の管理職や教諭、養護教諭、栄養職員、保護者など約七十人が参加した。
初日の開会式では、健康・体育課の大河内秀敏主幹があいさつ。多様化する児童生徒の健康課題の解決のため、全教職員の共通理解のもと、養護教諭が中核となって学校全体で対応に向けた取組を進めるとともに「地域、社会全体で子どもの健康づくりに取り組む必要がある」と指摘。関係機関と連携し、子どもの健康の保持増進、学校や地域の取組に広げるよう期待した。
続いて、健康・体育課の篠原弥智指導主事が「北海道の子どもたちの健康課題」と題して説明。全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果をもとに、本道の子どもたちの体力の現状、朝食の習慣と学力の関連性を示した。
また、北海道大学大学院歯学研究院の中村光一助教が「歯・口腔の健康づくり」、北海学園大学経営学部の田中勝則講師が「メンタルヘルスに関する課題と対応」と題し、それぞれ講義した。
二日目は、アレルギー疾患への対応についての講義・演習を行ったあと、国際医療福祉大学熱海病院の篠永病院教授が脳脊髄液減少症について講演。脳脊髄液減少症患者・家族支援の会北海道「絆会」の小川千晴代表とともに登壇し、学校生活を送る上で支障が生じているにもかかわらず、症状に対する十分な理解が得られず、苦慮してきた患者の声を伝えた。
篠永病院教授は、疾患の診断・治療の流れを示したほか、小児科領域での周知が十分でないことから、症状がどうか疑う必要があること、診断基準を確立する必要性があることを説明した。
※キーワード「脳脊髄液減少症」=スポーツ外傷などに伴い、脳脊髄液が漏れ出し、減少することで、神経系の機能不全が生じる疾患。頭痛、頸部痛、めまい、耳鳴り、視覚機能低下、記憶力・集中力低下、倦怠など多彩な症状が持続する。
(道・道教委 2018-08-17付)
その他の記事( 道・道教委)
適切指導、注意喚起徹底を 海難事故発生受け道教委が関係機関に通知発出
道教委は十六日付で、各教育局長、道立学校長、市町村教委教育長に対し、海水浴等に伴う事故防止について通知を発出した。野外におけるレジャーなどで危険な場所に絶対に立ち入らず、天候の急変に十分注...(2018-08-20) 全て読む
「少年の主張」上川地区大会 思い、主張堂々と発表 最優秀賞に神居東中3年・斉藤さん
【旭川発】上川総合振興局と上川教育局が主催する「少年の主張」上川地区大会が七月中旬、上川合同庁舎で開かれた。管内二十三市町村から一人ずつ選出された中学生が、それぞれの主張を堂々と発表した。...(2018-08-20) 全て読む
学校司書の仕事に関する動画作成へ 図書館の重要性広く周知 道教委が第1回制作会議開く
道教委は七日、道庁別館で第一回学校司書の仕事(動画)制作会議を開いた。構成員四人が出席し、動画の内容や作業分担、今後の予定などを確認したほか、より良い動画作成に向け協議。構成員からは「動画...(2018-08-20) 全て読む
いじめ問題解決専門家協議会等開く―道教委 共通項は信頼関係 文教大・栁生教授が講演
道教委は六日、札幌市内のかでる2・7で三十年度道いじめ問題等解決支援外部専門家チーム全道連絡協議会・スクールカウンセラー連絡協議会・生徒指導担当指導主事等研修会を開いた。文教大学の栁生和男...(2018-08-17) 全て読む
20市町村 32校が導入 千歳科技大eラーニング利用状況―道教委まとめ 場所を問わずに学びを提供
道教委は、札幌市を除く道内における千歳科学技術大学のeラーニングシステム利用状況をまとめた。システムを導入する市町村数は徐々に増え、十四日現在、沼田町、滝川市など二十市町村、小・中学校、義...(2018-08-17) 全て読む
道教委・道小・道中・道公教の文教施策懇談会 働き方改革を着実に 佐藤教育長あいさつ概要
三十年度文教施策懇談会における道教委の佐藤嘉大教育長のあいさつ概要はつぎのとおり。 ◇ ◇ ◇ 本道教育推進上の課題などについ...(2018-08-16) 全て読む
青少年教育6施設の29年度評価結果―道教委まとめ ネイパル深川が「A」達成 体験活動提供数は目標に到達
道教委は、道立青少年教育施設六施設の二十九年度管理の目標達成度評価結果をまとめた。ネイパル深川が総合評価「A」を達成し、その他五施設はいずれも「B」だった。年間宿泊室稼働率は深川、日帰り利...(2018-08-16) 全て読む
道教委が第3回幼児教育研究協 研修体系整理求める声 パブコメの結果踏まえ協議
道教委は十日、TKP札幌ビジネスセンター赤れんが前で、三十年度第三回道幼児教育研究協議会を開いた。仮称・道幼児教育振興基本方針素案のパブリックコメントの結果を示し、今後の幼児教育の振興を支...(2018-08-16) 全て読む
道研が研修体系基本方針「所内Academy」まとめる 人材育成等テーマに講演 課題意識など3点の向上目的に
道立教育研究所は、所内の研修体系の基本的方針を示す「所内Academy」をまとめた。高めたい資質・能力として「課題意識(課題設定・解決)」「業務の専門性・実務スキル」「社会変化等の把握・業...(2018-08-14) 全て読む
どさんこ☆子ども全道サミット 交流生みだす環境を 代表42人がテーマ協議
【岩見沢発】道教委は九日から二日間、ネイパル砂川で三十年度どさんこ☆子ども全道サミットを開いた。協議テーマ「互いに認め合う共生の社会を目指して、未来へつなぐ、みんなでつなぐ、オール北海道と...(2018-08-14) 全て読む