道内小・中耐震化率は95・8% 公立学校施設の耐震改修状況―文科省まとめ 研修会開催などで支援 道教委
(道・道教委 2018-08-29付)

小中学校の耐震性の棟数
道内公立小・中学校の耐震性の棟数(クリックすると拡大表示されます)

 文部科学省は二十八日、公立学校施設の耐震改修状況調査(三十年四月一日現在)の結果を公表した。道内における公立小・中学校校舎等(非木造)の耐震化率は九五・八%。前年度から一・四ポイント上昇したが、全国平均より三・四ポイント低く、四十七都道府県中四十三位だった。屋内運動場等で吊り天井がある棟の落下防止対策実施率は、前年度比一七・五ポイント増の五四・五%と増加。吊り天井がない棟の対策実施率は八〇・一%となった。道教委は今後、耐震化が遅れている市町村に対し、個別の要請や研修会の開催などを通して取組を支援する考え。

 調査は、文科省が公立学校施設の安全性の確保に向け、早期に耐震化を推進するため、十四年度から毎年度実施・公表しているもの。

 調査結果をみると、道内における公立小・中学校(非木造)の校舎・屋内運動場を合わせた四千九百三十棟のうち「耐震性あり」と判断された建物は四千七百二十五棟、「耐震性なしおよび耐震性が未確認」とされたものが二百五棟。

 耐震化率は前年度比一・四ポイント増の九五・八%で、全国平均より三・四ポイント低く、四十七都道府県の中で四十三位となっている。

 高校の耐震化率は、前々年度から三年連続の九七・五%(全国九八・二%)で、全国三十八位。

 特別支援学校は増減なしの一〇〇%(全国九九・四%)で全国一位、幼稚園は、四・〇ポイント増の八四・七%(全国九四・六%)で全国四十二位となった。

 屋内運動場等における吊り天井・照明器具・バスケットゴールの落下防止対策状況では、「高さ六㍍を超える天井」または「水平投影面積二〇〇平方㍍を超える天井」がある屋内運動場・武道場・講堂・屋内プールを対象に、吊り天井がある棟とない棟とに分けて調べた。

 小・中学校では、吊り天井がある棟の落下防止対策実施率が五四・五%(全国六五・九%)で、前年度より一七・五ポイント増と大きく増加。吊り天井がない棟は八〇・一%(全国七六・一%)だった。

 高校における吊り天井がある棟の落下防止対策実施率は六六・六%(全国二九・四%)、吊り天井がない棟では九七・九%(全国九二・一%)といずれも増減なし。

 特別支援学校は、吊り天井がある棟とない棟のいずれも一〇〇%(全国―吊り天井あり七八・五%、吊り天井なし九一・〇%)。

 幼稚園は、すべて吊り天井のない棟で、落下防止対策実施率は一〇〇%を達成。全国は七一・一%となった。

 なお、高校・特別支援学校の道立学校については、校舎等の耐震化率および吊り天井等の落下防止対策率のいずれも一〇〇%となっている。

 道教委は今後、引き続き市町村への直接訪問によって耐震化の促進を要請するほか、研修会の開催などを通じて市町村の取組を支援する。また、三十二年度までに延長された国庫補助率の嵩上げ措置を活用した整備の促進や、吊り天井等の落下防止対策・非構造部材の耐震対策の実施を働きかけていくとしている。

(道・道教委 2018-08-29付)

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