20年後の高校を考えて 公立高校配置計画地域別検討協議会上川南学区・上川北学区―道教委(道・道教委 2018-08-29付)
将来を見通した計画の検討を進めるよう要請した(写真は北学区)
【旭川発】道教委は七月下旬、上川管内二会場で本年度第二回公立高校配置計画地域別検討協議会を開催した。市町村教委教育長や公立小・中学校PTAなど上川南学区、上川北学区合わせて百十九人が出席。道教委担当者が計画案を説明したあと協議し、上川南学区では「公立と私学が共存共栄できる仕組みを」、上川北学区では「四、五年ではなく、二十年後の北海道の高校の姿をつくってほしい」などの意見が出されていた。
上川南学区は上川合同庁舎で開催し、七十八人が出席した。
道教委の担当者が公立高校配置計画案について説明。三十二年度は旭川東高校と旭川永嶺高校の普通科を一学級減とするほか、富良野緑峰高校は商業にかかわる学科一学級減に計画変更したことを説明した。
また、三十三年度は旭川西高校の普通科と旭川商業高校の商業に関する学科を各一学級減で検討を進めていることを示した。
さらに、三十四~三十七年度までの見通しとして、「四年間で三~四学級相当の調整が必要」「旭川市・富良野市や周辺町で学校・学科の配置の在り方を含めた再編整備や定員調整の検討が必要」「第一学年一学級の高校のうち、地理的状況等から再編が困難で、地元からの進学率が高い高校については地域連携特例校化の検討が必要」などの考えを示した。
質疑応答では、私学関係者が厳しい経営状況について「公私比率七対三となっているが、この比率を見直す時期にきている。私立高校の多くが定員割れし、死活問題となっている」「三十四年度からの四年間で三~四学級相当の調整とあるが、できれば最低でも四としてほしい」「公立と私学が共存共栄できる仕組みを」などと訴えた。
上川北学区は名寄市駅前交流プラザ「よろーな」で開催し、四十一人が出席した。
道教委の担当者が北学区における高校配置計画案について説明。三十二年度は、名寄産業高の工業にかかわる学科一学級減に計画変更したことを伝えた。
また、三十四~三十七年度までの見通しとして「四年間で〇~一学級相当の調整が必要」「中卒者数や欠員の状況、学校・学科の配置状況などを考慮し、名寄市内で再編を含めた定員調整の検討が必要」などの考えを示した。
質疑応答では、経済団体関係者から「地域では向こう二十年間、子どもは減り続け望ましい規模の学校は一校もなくなる。生徒も先生も人口も減る。そんなことでは明るい未来に向かっているとは思えない。四~五年の数合わせではなく、二十年後の北海道の高校の姿を早急につくり上げてほしい」と求める声が上がった。
また、行政関係者から「今のままでは地域の学校はどんどんなくなっていく。例えば、インターネットを活用した遠隔授業をどこの学校でも見られるよう考えながら、それを単位として取得できるようなことがあれば、これからの高校のスタイルは今の形から少し変えて考えることができるのではないか」などの意見が出された。
(道・道教委 2018-08-29付)
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