【解説】文科省「キャリア・パスポート」

（解説 2018-08-29付）

　文部科学省が設置した「キャリア・パスポート」導入に向けた調査研究協力者会議の初会合が二十四日、東京都内で開かれた。小・中・高を通してキャリア教育に関する諸活動を記録するキャリア・パスポートの試案を示し、学校での指導、活用の在り方について検討を開始。年度内に作成し、公表する。

　キャリア・パスポートは、児童生徒が小学校から高校までのキャリア教育に関する諸活動について、特別活動の学級活動、ホームルーム活動を中心として学習状況を記述、自身の変容や成長を自己評価できるよう工夫されたポートフォリオ。児童生徒が学びと将来のつながりを見通し、社会的・職業的自立に向けて必要な基盤となる資質・能力を身に付けることを目的とする。

　新学習指導要領では、特別活動を中心としつつ、各教科等の特質に応じてキャリア教育の充実を図る方針を提示。教科の学習指導において、キャリアの視点を大事にして将来の生活や社会と関連付けて見通しをもち、振り返って学ぶ「主体的・対話的で深い学び」の実現などの方向性を示した。

　学校における具体的な方向性では、体系的・系統的なキャリア教育実践の促進、職場体験活動やインターンシップなど職業に関する体験活動の充実、学校と地域・社会や産業界などが連携・協働した取組の促進、キャリア・パスポートの活用を挙げている。

　二十四日の第一回会議では、小・中・高で使用するキャリア・パスポートの試案を提示。学年初め、学期末、一年の終わり、卒業前の各段階や職場体験、学校行事での記載欄を設け、自身の将来の姿や必要な能力、振り返りを記述できるほか、教員、保護者のメッセージ欄も設けている。キャリア・パスポートは、各地域や学校の実情などを反映し、変更できるものとしている。

(解説 2018-08-29付)