【解説】２９年における少年非行等状況

（解説 2018-09-03付）

　警察庁は、二十九年における少年非行、児童虐待および子どもの性被害の状況をまとめた。刑法犯少年で検挙された児童生徒数は二十一万五千三人となり、十四年連続で減少。児童虐待事件および児童ポルノ事件の検挙件数・児童生徒数については、いずれも統計を取り始めて以降最多となった。

　昨年一年間、刑法犯で検挙された児童生徒は、前年度比一万一千三百七十三人減の二十一万五千三人。十四年連続減少となった。

　十四～十九歳の年齢別にみると、最も多いのは十六歳で五千四百七十二人。次いで、十五歳の四千九百九十三人、十七歳の四千五百四十八人、十八歳の四千四人、十四歳の三千九百五十八人、十九歳の三千八百二十二人と続く。

　学職別では、高校生の一万二百九人が最も多い。中学生は、六千二百二十一人、大学生は一千五百三十四人だった。

　罪種別では、窃盗犯（一万五千五百七十五人）、粗暴犯（三千六百十九人）、知能犯（八百九十九人）、風俗犯（五百六十五人）の順に多い。このうち、粗暴犯における罪種別では、傷害（二千百三十五人）と暴行（九百六十八人）が多く、全体の八割以上を占めた。

　いじめに起因する事件の件数は、いじめの仕返しによる事件七件を含め百五十五件で前年より六件増加。いじめ起因する事件にかかわって検挙・補導された児童生徒数は、二十二人減の二百四十五人だった。

　児童虐待における通告児童数は、一万一千二百四人増の六万五千四百三十一人。保護児童数は三千八百三十八人だった。

　児童ポルノ事件の検挙状況をみると、検挙件数は三百十六件増の二千四百十三件、検挙された児童数は、百七十二人増の一千七百三人。いずれも統計を取り始めて以降最多となった。

(解説 2018-09-03付)