【解説】校務支援システム導入の手引き

（解説 2018-09-06付）

　文部科学省は、『統合型校務支援システムの導入のための手引き』を作成し、同省Ｗｅｂページで公開した。二十九年度に実施した「校務におけるＩＣＴ活用促進事業における調査研究」の結果を踏まえ、自治体が効果的・効率的に導入を進められるよう、統合型校務支援システムの効果を紹介している。

　統合型校務支援システムは、教務系、保健系、学籍系、学校事務系など統合した機能を有するシステム。校務における業務負担を軽減し、情報の一元化・共有ができるなどの利点がある。

　システムの導入によって、教員一人当たりの勤務時間数を一年間で二百時間以上削減した自治体もあり、同省では、教員の多忙化の解消、教育の質の維持向上に向けてシステムの導入促進を図ることの有効性を指摘している。

　一方、全国のシステムの整備率は三月時点で五二・七％（道内四九・二％）にとどまり、導入が進んでいない現状がある。整備促進を図るための方法として、都道府県と域内の市区町村との連携によって、都道府県単位での統合型校務支援システムの共同調達・運用に向けた取組を進めることが重要としている。

　作成した手引きは、第一部「統合型校務支援システムの導入・利用に関する手引き」、第二部「統合型校務支援システムの共同調達・運用・保守にかかる手引き」で構成。

　第一部では導入に向けた課題や効果を紹介。札幌市では教員一人当たり一年間で百三時間の業務時間の削減が行われたことなど、導入自治体の効果を示している。

　第二部では、システムを複数の自治体が共同で調達・利用する場合の具体的な手順を説明。企画構想、計画策定、調達、構築、運用・保守に至るポイントを紹介している。

(解説 2018-09-06付)