【解説】児童虐待相談の対応状況

（解説 2018-09-13付）

　道が発表した二十九年度道の児童相談所における児童虐待相談対応状況によると、児童相談所における児童虐待の相談件数が増加傾向にあることが分かった。道児童相談所における虐待相談対応件数は、前年度の一・〇六倍に当たる三千二百二十件。札幌市児童相談所分を含めると五千百三十三件となり、全国とともに過去最多となった。

　全種別で虐待件数が増加。特に、心理的虐待が前年度比百二十八件増の二千百八十一件と増えた。

　警察署からの通報に基づく対応が約六割を占め、全体の件数増加の主な要因となっている。学校等からの通報も、二十一件増の百二十三件と増加している。

　主な虐待者は、実父の割合が約五割と多く、実母、実父以外の父などと続く。

　虐待種別では、心理的虐待で実父が約六割を占めており、身体的虐待とネグレクトでは実母、性的虐待では実父以外の父がそれぞれ最多となっている。

　虐待を受けた子どもの年齢構成をみると、小学生が三五・八％で前年度より増加。中学生が一三・二％、高校生・その他が一〇・九％で、就学前の乳幼児が約四割を占めている。

　相談への対応結果に関しては、子どもが在宅のまま保護者への助言や指示、カウンセリングなどを行う面接指導が八九・八％、施設入所が二・八％、里親等委託が〇・八％など。

　虐待に至った主な内容では、全体で「夫婦間不和」が三五・〇％と最多。つぎに「心または人格の問題」が一七・七％、「経済的困難」が一三・六％などと続く。

　虐待に至る要因は種別によって異なる傾向を示しており、身体的虐待では「育児疲れ」、性的虐待では「心または人格の問題」、ネグレクトでは「経済的困難」「心または人格の問題」、心理的虐待では「夫婦間不和」がそれぞれ最も多かった。

(解説 2018-09-13付)