北翔大の山本教授がJBS学会賞受賞 世界初の研究に栄誉 姿勢と気流の関係解明 スキージャンプ踏切に着目(学校 2018-09-21付)
山本教授(中央)と山谷学長(右)、青木理事長
北翔大学の山本敬三教授(生涯スポーツ学部スポーツ教育学科)が、日本バイオメカニクス学会の「JBS学会賞」を受賞した。二年に一度、最も評価が高かった学術論文等に与えられる栄誉ある賞で、十四日に同大で報告会および表彰状授与式が開かれた。スキージャンプの踏切中の姿勢の変化と周囲の気流の関係を解明した世界初の研究で、学術的価値のみならず、選手や指導者にも貴重な情報として注目を集めそうだ。
同賞は、これまで日本を代表するスポーツバイオメカニクス研究者に授与されてきたもの。
受賞した論文のタイトルは「Effect of posture on the aerodynamic characteristics during take-off in ski jumping(スキージャンプ踏切中の姿勢変化が空力特性に及ぼす効果)」。権威ある国際学術誌『Journal of Biomecanics』に二〇一六年に掲載された。
四~六日に日本体育大学で開催された第二十五回日本バイオメカニクス学会大会で、二〇一六~一七年の二年間に発行された学術論文および学術的著書の中から最も評価が高かったものとして「JBS学会賞」に選定され、深代千之会長(東京大教授)から表彰状と記念の盾を受け取った。
栄誉ある賞の受賞に対し十四日には、北翔大で山谷敬三郎学長や各学部長らが同席のもと報告会を開催。
山本教授は「スキージャンプで大切なのは脚力ではなく、踏切時の姿勢で大きな差が出る。特に、体幹や腕の姿勢が重要で、腕が左右対称でないと背後の気流が乱れ、大きく揚力を失うことになる」と、ジャンパーの姿勢と気流の関係を説明。
「車や飛行機など、形が変わらないものの解析は比較的容易だが、人の姿勢が変わる中で気流がどう変わるかは難問で前例がなく、解明に八年かかった」と明かした。
これに対し、山谷学長は「目に見えないものを地道に研究し続けてきたことに敬意を表する。これからも、よりこの研究を分かりやすく参考になるよう継続してほしい」と激励。学校法人浅井学園の青木次郎理事長が表彰状を手渡し、「全国の学会で評価されたことは大変な名誉。これからも一層スポーツ技術の発展に寄与してほしい」と期待した。
山本教授は今後、大会でジャンパーをビデオカメラで撮影し、つぎのジャンプまでにCG化して気流の流れまで可視化し、参考にできるシステムを構築したい考え。
また、将来を担う子どもたちが練習時に参考にできるよう、積極的に最新の研究成果を伝えていく考えだ。
(学校 2018-09-21付)
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