道中が第６０回研究十勝・帯広大会　未来切り拓く人材育てる　心つなげ、想い深めて―橋本会長

（関係団体 2018-09-26付）

３１３人が参加し、学校経営課題の解決に向け、研鑚を積んだ

　【帯広発】道中学校長会（橋本直樹会長）は二十一日から二日間、帯広市民ホールなどで第六十回研究大会十勝・帯広大会を開いた。大会主題は「社会を生き抜く力を身に付け、未来を切り拓く日本人を育てる中学校教育」。全道から三百十三人が参加し、学校経営課題の解決に向けて協議した。

　帯広市校長会が主管、十勝小・中校長会が副主管。大会主題のもと、「恵み豊かな十勝から次代を担うきらめく子らの想いをつむぐ学校経営の充実」を副主題に掲げた。本年度は四ヵ年継続研究の三年次となっている。

　冒頭あいさつに立った橋本会長は、はじめに、台風２１号と北海道胆振東部地震によって被害を受けた人々に哀悼の意を表した。「被害の状況や対応方法などを共有し、そこから学び、励まし合うのも本研究大会の意義」と述べた上で、「チーム道中として、心をつなげ合い、想いを深め合う二日間であってほしい」と呼びかけた。

　また、六十回目の節目であることにふれ「私たちは先達が脈々と築き上げてきた財産をつなげながら、これまで以上に“オール北海道”“チーム北海道”として強固につながり合い、新たな道中の未来を拓き、歴史を積み重ねていかなければならない」と述べ、熱心で学び多い研究協議が行われることを期待した。

　次いで、辻野裕義大会実行委員長があいさつ。「会員全員が“チーム道中”としてタッグを組み、困難に立ち向かっていく大会にしていくため、実行委員の総力を挙げて、全力で運営に当たりたい」と意気込んだ。

　このあと、十勝教育局の大橋則之局長、帯広市教委の嶋﨑隆則教育長、全日本中学校長会の山本聖志会長がそれぞれ祝辞を寄せた。

　大橋局長は、新学習指導要領におけるこれからの学校経営推進の目標として「より良い教育によって、より良い社会をつくる」ことを示した。その上で、社会に開かれた学校の実現、カリキュラム・マネジメントの確立、教職員が健康で生き生きと働ける環境の構築を求め「学校経営方針やグランドデザインに基づく取組を公表し、保護者や地域に信頼される学校づくりが大切」と指摘。協議を深め、積極的な意見交流などによって、成果を上げることを期待した。

　嶋﨑教育長は、参加者によって子どもたちが安心して通え、地域とともにある学校に向けて尽力していることに感謝の気持ちを示すとともに「本大会の成果が各地域で発揮され、意見交流や情報共有が学校経営にとっての有意義な機会となえれば」と述べた。

　山本会長は、これからの時代の学びや育ちの方針を示す新学習指導要領の背景や趣旨を教育課程に着実に落とし込み、円滑に実施する学校管理職の役割の重要性を訴えた。

　開会式後、山本会長が教育情勢を報告したほか、第六十九回全日中研究協議会鳥取（米子）大会第四分科会「体力の向上と生涯にわたって運動に親しむ資質・能力を育てる教育の充実」に向けて、函館市立青柳中学校の松田賢治校長が「組織的・計画的に体力向上や心身の健康の保持増進を図る教育活動の工夫・改善」、せたな町立瀬棚中学校の酒井豊志校長が「体力向上や健康の保持増進を図る保健体育・スポーツ活動の充実を目指して」について提言概要を説明した。

　午後からは分科会を実施し、教育課題の解決に向けて参加者で意見交換した。

　引き続き二日目は、文部科学省の白間竜一郎大臣官房審議官が「初等中等教育の現状と課題」を演題に講話。

　また、元ノルディック複合オリンピック選手の阿部雅司氏が「スポーツと学校教育」をテーマに記念講演した。

(関係団体 2018-09-26付)