札幌開成中等教育国際バカロレア 公立初のダブル認定校に MYPに加え来年度からDP(学校 2018-10-02付)
市立札幌開成中等教育学校(相沢克明校長)は、全国の公立学校として初めて、国際バカロレア(IB)におけるミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)とディプロマ・プログラム(DP)両方の認定校となった。MYPは昨年三月、DPはことし九月に認定された。DPは、十六~十九歳を対象とした国際的に認められる大学入学資格(IB資格)が取得可能なプログラム。来年度の五年次生を対象としてDPのカリキュラムを開始し、国際的な感覚・視野をもつ生徒の育成を目指す。
IBは、IB機構が編成した国際標準の教育プログラム。多文化に対する理解と尊敬を通じて、平和でより良い世界に貢献できる若者を育成することを目的としている。
提供するのは、プライマリー・イヤーズ・プログラム(三~十二歳対象)、MYP(十一~十六歳対象)、DP(十六~十九歳対象)、キャリア関連プログラム(十六~十九歳対象)の四種類のプログラム。
DPでは、所定のカリキュラムを二年間履修。最終試験を経て一定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(IB資格)の取得が可能となっている。
授業は英語、フランス語またはスペイン語で行うことを原則としている。日本においては一部の科目を日本語で実施できる(=日本語DP)。
札幌市教委では、同校の開校に当たって、六年間を通した課題探究的な学習を教育の柱として掲げた。その際、課題探究的な学習プログラムとして世界的に成功しているIBを、同校に導入し活用することとした。
また、同校が目指す生徒の姿「自ら課題を発見し、生涯にわたって学び続ける力」などがIBの理念と合致すると判断した。
同校では、認定に向けた取組を進め、昨年三月には日本の公立学校として初めてMYP認定校となった。現在、一~三年・四年次生を対象としてMYPに対応した教育課程を実施している。
DPの認定に向けては、運営方法や取り扱う授業内容の編成などについて協議・検討を重ねてきたほか、二年間の授業計画を作成。取組が評価され、ことし九月十一日付の通知をもって、DP認定校となった。MYPとDP両方の認定を受けたのは、全国の公立学校の中で同校が初めて。
DPを履修するのは、来年度の五年次生の希望者。①言語と文学(母国語)②言語習得(外国語)③個人と社会④理科⑤数学⑥芸術―の六グループから、同校が設定した科目を二年間学習する。
また、同校では日本語DPを実施する。日本語で授業を行うのは①の文学、③の歴史、④の物理・化学・生物、⑤となっている。物理と⑤については、英語での授業を選択することもできる。
教科に加え、並行して必修要件にも取り組む。必修要件は、個人研究に取り組み、研究成果を四千語(日本語の場合は八千字)の論文にまとめる「課題論文」、批判的思考や自分なりのものの見方などを培う学習「知の理論」、無報酬での自発的な交流活動といった体験的な学習に取り組む「創造性・活動・奉仕」の三点となっている。
なお、生徒はIB資格を取得しなかった場合においても、DP科目を履修・習得することで、高校卒業単位として認定される。
(学校 2018-10-02付)
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