宗谷管内養護教諭研究会が研究大会　指導力向上へ実践交流　４６人参加し、講演、分科会協議

（関係団体 2018-10-05付）

養護教諭として求められる能力の向上を図った

　【稚内発】宗谷管内養護教諭研究会（本間智恵子会長）は九月中旬の二日間、宗谷合同庁舎で第四十五回管内養護教諭研究大会を開いた。管内の養護教諭四十六人が参加。研究主題「養護教諭に求められる力の向上を目指して～知識・理解・技能・確かな判断力・対応力」のもと、学校保健の在り方や養護教諭の役割などについて研鑚を積んだ。

　開会式で本間会長は、「一人ひとりが養護教諭に求められる力の向上を目指して、二日間を通し研修を深めてほしい」と呼びかけた。

　続いて、宗谷教育局の宮岡孝博局長と宗谷校長会の大島朗会長が登壇。宮岡局長は「本研究大会の成果をあすからの教育活動に生かし、子どもたちが自己肯定感や自尊感情を高めながら一人ひとりの良さを伸ばしていける学校づくりに努めてほしい」と期待した。

　大島会長は「日常の実践を豊かに交流し、実践課題の究明が進み、多くの成果を上げられることを祈念する」と語った。

　引き続き、日本ウエルネススポーツ大学スポーツプロモーション学部の近藤卓教授が「子どもの自尊感情をどう理解し育むか～身近なおとなとして養護教諭にできること」と題して講演。近藤教授は、ゆがんだ自尊感情を満たすためにいじめが行われることを解説。健全な自尊感情を育むためには、大人が子どもの体験や感情を共有することを繰り返すことで、「ありのままの自分を受け入れ、心の基盤の支えとなる基本的自尊感情を育てることが大切」と訴えた。

　講演後および二日目には、保健指導、性教育、保健室経営の三つの分科会を開催。保健指導分科会では、幌延町立幌延小学校の澄川侑美養護教諭が子どもに人気のキャラクターを使用した掲示物を紹介したほか、子どもとのかかわりからみえる課題や、心と体の学習や健康教育の指導計画の見直しを報告した。

　性教育分科会では、枝幸町立歌登中学校の所睦養護教諭が教職員と連携した性教育の実践について提言した。

　保健室経営分科会では、幌延町立幌延中学校の木村乃梨恵養護教諭が修学旅行で経験した地震対応を振り返り、養護教諭がどのような判断・指示を下す必要があるのかを報告した。

(関係団体 2018-10-05付)