道天然記念物に指定へ―道教委　沼田のヌマタネズミイルカ化石　３４件目、今月下旬正式決定

（道・道教委 2018-10-25付）

ヌマタネズミイルカ化石のレプリカ＝提供・沼田町教委＝

　道教委は、二十四日に開いた第二十二回教育委員会会議で、沼田町のヌマタネズミイルカ化石を道の天然記念物（地質鉱物）に指定することを決定した。道教委公報による告示によって、十月下旬に正式に指定される。道の天然記念物として三十四件目、化石としては三件目の指定となる。

　ヌマタネズミイルカ化石は、約四百万年前に生息していた小型歯クジラの化石。日本で最初に新属・新種として生物学的記載がなされたネズミイルカ科の化石であり、全身がほぼそのままの状態で出土した良好な保存状態であったため、化石生成の研究でも引用されるなど、学術的価値が高い。

　昭和六十年、秩父別町立秩父別中学校の校外授業中に発見。沼田町教委と、沼田町立沼田小学校、沼田中学校、沼田高校の教諭らによって、ほぼ完全な全身骨格が発掘された。

　化石の発掘は、町民による沼田化石研究会（現・沼田化石友の会）結成の契機となり、化石体験館の設立、絵本の作成、町民によるミュージカルの上演など、地元に愛され、まちづくりに活用されている。

　道文化財保護審議会（大原雅会長）が九月十八日の審議会で決定し、同日、佐藤嘉大教育長に答申した。

(道・道教委 2018-10-25付)