生徒指導上の諸課題調査―文科省まとめ・道内分 いじめ認知件数12129件 不登校は最多、暴力は大幅減
(道・道教委 2018-10-26付)

29年度児童生徒の問題(表)
29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果・道内(クリックすると拡大表示されます)

 文部科学省は二十五日、二十九年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果を公表した。本道の状況をみると、札幌市を含む公立小・中・高校、特別支援学校のいじめの認知件数は前年度比四千五百六十七件増の一万二千百二十九件。小学校で特に大きく増加している。道教委は、アンケートの設問を児童生徒が回答しやすいよう変更したこと、各学校が積極的に認知したことの結果と分析している。小・中学校の不登校児童生徒数は五千五百六十六人となり、平成三年度以降最多を記録。一方、暴力行為の発生件数は約三割減の六百六十六件と大きく減少した。

 暴力行為、いじめ、不登校などの状況を調査・分析し、未然防止、早期発見・早期対応につなげるため、文科省が例年公表しているもの。

 道内分では、札幌市立学校を含む公立小・中学校、高校、特別支援学校など一千九百五十七校を対象に調査した。

▼暴力行為の状況

 公立小・中・高における暴力行為の発生件数は、前年度比三百十六件減の六百六十六件と大きく減少。全校種で減少しており、特に小学校で二百四十二件減の百三十件と大きく減っている。行為種別では、対教師暴力が百四十四件減の七十三件と大幅に減少した。

▼いじめの状況

 公立小・中・高・特別支援学校におけるいじめの認知件数は、四千五百六十七件増の一万二千百二十九件で、現行の調査方式になった平成二十五年度以降、最も多い件数となった。特に、小学校で四千七十一件増の九千二百五十六件と大きく増加。理由として道教委は、各学校での積極的な認知とともに、今回調査からアンケートの設問を「学校でいじめがあったか」から「学校で嫌な思いをしたことがあったか」に変更したことによって、子どもが回答しやすく、増加につながったのではないかと分析している。

 いじめの解消状況は、公立学校全体で「解消しているもの」が一・二ポイント減の九六・五%、「解消に向けて取組中」が一・一ポイント増の三・三%。

▼不登校の状況

 不登校の児童生徒の状況は、小学校が百六十五人増の一千百九十六人、中学校が四百六人増の四千三百七十人といずれも増加。小・中学校の合計は五千五百六十六件で、平成三年度以降最多となった。学年別では、小学校が三年生以上、中学校が全学年で増加した。

 中学校における一千人当たりの不登校生徒数は、前年度比四人増の三十四・三人と高く、要因は「不安」「無気力」「学校における人間関係の課題」の順に割合が高い。

 高校では、三十八人増の七百九十二人とやや増加した。

▼中途退学の状況

 高校の中途退学者数は四十三人減の一千四百九十一人で、二年連続で減少。第一学年の中途退学者の割合が約三割と最も高く、学年が進むにつれて減少する傾向が続いている。理由は、「学校生活・学業不適応」が三四・五%、「進路変更」が二九・三%など。

          ◇          ◇          ◇

 道教委は今後、学校の教育活動全体を通して自他を大切にする心、望ましい人間関係を築く力を育む取組を進めるとしている。また、教育相談体制の充実、児童生徒の人間関係を築く力の育成、関係機関との連携による支援体制の整備・充実とともに、インターネット上のトラブルから児童生徒を守る取組を推進する。

(道・道教委 2018-10-26付)

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