性感性症など予防に活用 帯広保健所が独自教材開発 高校生用 十勝局が協力
(道・道教委 2018-10-30付)

 【帯広発】帯広保健所は十勝教育局と協力して、独自教材「性感染症・エイズとその予防」と指導案を開発し、十勝管内の公私立高校に配布した。管内の十代の性感染症罹患率が全国平均よりも高い傾向にあることを踏まえ、“生徒が自分の健康を自分で分かり、心と身体を大切にできる”ことを柱に、ベテラン教員だけなく若手教員にも指導しやすいように内容を整理した。担当者は「現場の先生の声を生かして作成したので、効果的に活用してほしい」と呼びかけている。

 十勝管内における十代の若者の性感染症罹患率はここ十年、全国平均よりも高い傾向が続いており、教育関係者や保健関係者は頭を悩ませていた。

 管内の高校では、生徒に注意喚起する授業を取り入れている。

 帯広保健所は、二十八年度から三ヵ年計画で、十勝思春期保健地域教育プログラムの作成事業を展開。十勝教育局の協力のもと、管内の教員による協議内容を踏まえ、教材開発と指導案作成に取り組んできた。

 管内五校において、学級規模や男女構成の異なる十一学級で授業を試行。延べ三百五十二人の生徒が試行段階の授業を受けた。

 教材は、教員の協議内容や生徒の意見を取り入れて構成。管内における性感染症罹患率が全国平均よりも高い傾向にあることを示すデータや、医師による説明動画などを盛り込み、適切な対処方法、困ったときの相談窓口、予防行動について学べる内容となっている。

 各高校ではこれまで、個別に指導していた内容について、“生徒が自分の健康を自分で分かり、心と身体を大切にできる”ことを指導の柱として整理。ベテラン教員だけでなく、初任教員も授業で指導しやすいよう構成しており、教材を活用して思春期の生きる力を養うことを目指す。

 教材を活用して授業を行った教員からは「生徒の授業前後の意識調査をみても、効果が高いものとなっている」「スライドや動画があり、授業で使いやすい」などと評価する声が挙がっている。

 帯広保健所では、高校生用教材の内容を踏まえて、中学生段階から性感染症の問題を意識付けるため、中学校用教材と指導案の開発を年度内に行い、配布する予定。高校生版も、各学校での実施をフィードバックして、データのみならず内容についてもバージョンアップする考え。

 担当職員は「現場の先生の声を生かして作成したので、効果的に活用してほしい。管内で一丸となって問題に取り組んでいければ」と呼びかけている。

(道・道教委 2018-10-30付)

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