オリパラ教育拠点校の釧路市幣舞中　来年１月に講演会　道徳的価値学ぶ授業も　実施計画まとまる

（学校 2018-11-14付）

　【釧路発】道教委のオリンピック・パラリンピック教育推進事業の拠点校である釧路市立幣舞中学校（室山俊美校長）の実施計画が明らかになった。来年一月にパラ・スポーツの体験会や講演会を行うほか、体育科や道徳の時間でオリンピック・パラリンピックの歴史などについて学習。スポーツの価値や共生社会への理解を深めていく。

　本年度、道教委は国の「オリンピック・パラリンピック・ムーブメント全国展開事業」の委託を受け、オリパラ教育を推進。国際的な視野をもって世界の平和に貢献できる人材を育成するため、道内の小・中・高校、特別支援学校の計八校を拠点校、三十七校を協力校に指定した。

　そのうち、拠点校の幣舞中では「オリンピック・パラリンピックを通じて、スポーツの価値への理解を深めるとともに、規範意識の涵養、国際・異文化理解、共生社会への理解等を深める」ことを目標に掲げた。

　具体的には、保健体育の体育理論の授業において、運動やスポーツへの多様なかかわり方を学習する中で、オリンピックの精神や歴史、オリンピック・パラリンピックと日本とのつながりなどを学ぶ。さらに、道徳の時間でもオリンピック・パラリンピックのアスリートを題材とした授業を行い、道徳的価値を学ぶ。

　いずれの授業も来年一月に二年生で行う計画で、現在、体育科担当教諭や道徳教育推進教師、管理職員などが協力して指導案の作成に当たっている。

　このほか、釧路市教委・釧路地方法務局・オリンピック・パラリンピック等経済界協議会主催の「人権教育パラ・スポーツ体験会」を開催。共生社会の実現に向けた人権教育を展開するという趣旨に事業が合致していることから組み入れることとした。

　来年一月に幣舞中体育館でパラ・スポーツの車いすバスケット、ブラインドサッカー、ボッチャなどを体験するほか、パラ・アスリートの講演会を予定。

　また、協力校である朝陽小学校は幣舞中の授業、パラ・スポーツの体験会、講演会に参加する。

　実施に当たっては日本体育大学の協力を得て、十月に生徒対象の事前アンケート、来年二月ころに事後アンケートを行い、「オリパラへの関心の高まり」「競技への理解」「共生社会への関心」などの変容状況を確認する。

　室山校長は「五十六年ぶりの東京２０２０オリンピック・パラリンピック競技大会への興味を高めるとともに、あきらめない心、障がいのある人とともに活動する心、スポーツを楽しむ気持ちを育ててほしい」と事業の成果に期待している。

(学校 2018-11-14付)