３０年度全国学力・学習状況調査の結果公表―石狩市教委　小学国語など改善傾向　各校と連携し対策推進

（市町村 2018-12-12付）

　石狩市教委は、三十年度全国学力・学習状況調査の結果を公表した。学校ごとにみると、前年度より全国平均との差を縮めた学校や各教科・領域で大きく伸びた学校もあった。また、小学校国語Ａ・Ｂと算数Ａ・Ｂで全国との差が縮まり、理科も前回実施した二十七年度より差が縮まった。中学校理科も全国との差が縮まり、改善の傾向がみられた。これらの結果を受けて市教委は「実態や取組の成果などを踏まえ、今後の学力向上対策を各校と連携して進める」としている。

　本年度の調査は、市内の小学校十三校の六年生五百二十七人、中学校八校の三年生五百三十一人を対象に実施した。

　結果をみると、小学校では、全教科で全国平均を下回った。また、前年度と比較すると国語Ａ・Ｂと算数Ａ・Ｂで全国との差が縮まり、理科においても前回実施した二十七年度より差が縮まった。

　中学校においても、全教科で全国平均を下回る結果となった。また、国語Ａ・Ｂと数学Ａ・Ｂで全国との差が拡大。一方で、理科は全国との差が縮まり、改善の傾向がみられた。

　学校ごとにみると、前年度より全国平均との差が縮まった学校や各教科・領域で大きく伸びた学校もあったが、五教科の平均で全国を上回る学校数は、前年度より小・中学校とも減少し、小学校では十三校中五校、中学校で八校中二校にとどまった。

　各領域の平均正答率は、小学校をみると算数Ａでは四領域のうち「量と測定」「図形」で全国との差が縮まった。Ｂ問題においては、四領域のうち「量と測定」「図形」「数量関係」で全国との差が縮まった。

　理科では、二十七年度より全道・全国との差が縮まった。

　中学校をみると、国語Ａの正答率は、全国平均よりも一～三ポイント未満の範囲で下回った。

　理科では、正答率は全道・全国よりやや低い結果だったが、二十七年度と比較して正答率が大幅に上昇。四領域のうち、「物理的領域」「生物的領域」は全国平均に並んだ。

　児童・生徒質問紙では、自己有用感や規範意識、将来への夢、就寝・起床時刻など多くの項目で全国とほぼ同様の傾向にあることが分かった。一方、家庭での学習時間や読書時間、放課後・週末のゲームやインターネットなど家庭の過ごし方に課題がみられた。また、授業に関する意識は全国とほぼ同様の傾向にあるが、授業内容の理解や話し合いを通じて自分の考えを深めることなどに課題があった。

　学校質問紙では、家庭学習の定着に向けた学校の取組として「家庭学習の課題を与える」「保護者への啓発」「教職員間の共通理解」などに改善がみられ、「授業中の私語が少なく落ち着いている」と回答した学校が全国平均を上回った。また、学校力向上のため、地域人材活用や保護者の学校支援活動、小・中学校間の連携が着実に進展していることが分かった。

　結果を受けて市教委では「今回の結果で明らかになった実態や取組の成果と課題を踏まえ、今後の学力向上への対策を各校と連携し進めていく」としている。

(市町村 2018-12-12付)