札幌国際理解教育研究会が研究大会 行動力育む学びを紹介 緑丘小の道徳授業を公開(関係団体 2018-12-18付)
黒田教諭は、他国の文化や習慣を知る大切さに気付かせた
札幌国際理解教育研究会(石原和人会長)は五日、札幌市立緑丘小学校で第三十四回研究大会を開いた。五年生の道徳の授業を公開したほか、研究討議を実施。国際理解教育の充実に向け、研鑚を積んだ。
同会では、研究主題を「多様な世界に関わり続ける行動力を身に付けた児童生徒の育成」と設定。研究の視点に、①主体的な行動を促す教材化②自分事となる対話を引き出す教師のかかわり―の二点を据えて研究を進めている。
授業公開後の全体会では石原会長があいさつ。来年には旭川市で全国大会、再来年には札幌市で全道大会があることにふれたほか、大会について「今後の土台づくりに向けてきたんのない意見をいただきたい」と話した。
また、会場校・緑丘小の村元秀之校長が「本校として国際理解教育が進められているかを検証するとても良い機会」とあいさつした。
続いて、上田隆之研究部長が基調提案。研究主題のほか、教材化の視点として「多文化社会」「多文化共生」「地球的課題」「コミュニケーション能力」の四点を説明した。
また、目指す子どもの姿として「未来へ向けて、主体的に行動する児童生徒」、目指す授業の姿として「未来を耕し、新たな価値を創造する意思を育む授業」を提示した。
このあと、研究討議を実施した。
◆5年道徳「小さな国際親善大使」
研究大会では、緑丘小の黒田洋子教諭が五年三組(児童数三九人)の道徳「他国の人々を理解して~小さな国際親善大使」を公開。黒田教諭は本時の目標を「他国への関心や理解を深め、相互に尊重し合いながら、国際親善に努めようとする実践意欲や態度を育てる」と設定した。
黒田教諭は、視点①から料理を残した人と料理人の絵を提示し、料理人の思いを考えさせた。残したことについて「せっかくつくったのにひどい」「もっと食べてほしい」などと児童の発表を取り上げたあと、「料理に満足してもらえてうれしい」という中国人の料理人の言葉を提示。中国では「食べきれないほど食事を堪能した」などが食事マナーとなっていることから、日本でみられる一般的な感覚とは、異なる考えをもつ人がいるということをとらえさせた。
また、教材「小さな国際親善大使」を範読した。
物語は主人公の芽衣が、食事したり写真を撮ったりするなど、外国人とのふれ合いを通して日本と他国の習慣や文化の違いを感じるもの。
視点②から他国の習慣や文化を知って、芽衣がどのようなことを考えたのかを問いかけた。日本と他国のマナーやコミュニケーションが違うという児童の発表を取り上げたほか、他国のマナーを知らないと相手が悲しい気持ちになること、知っていると気持ちが伝わることを取り上げるなど、より他国の文化や習慣を知りたいと思えるように取り組んだ。また、国際親善大使になったら何をするかを考えさせることで国際親善大使の必要性を理解できるようにした。
授業後は研究討議。黒田教諭の授業について「子どもたちが国際親善大使について自分事として考えていた」「(国際親善大使になるために)行動につなげる明確なビジョンをもつための工夫が必要」などの意見が出た。
(関係団体 2018-12-18付)
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