番組、ICTの活用法共有 札幌市小学校放送教育研究会と札幌市視聴覚教育研究会が合同研究大会
(関係団体 2018-12-14付)

市視聴覚研究会合同大会札小放
宮津教諭は、複数の反対の意味のある言葉について考えさせた

 札幌市小学校放送教育研究会(=札小放、斉藤拓也会長)と札幌市視聴覚教育研究会(日戸靖彦会長)は十一月下旬、札幌市立北野平小学校(山下尊子校長)で第五十四回札幌市小学校放送教育研究大会兼第十七回札幌市視聴覚教育研究大会合同大会を開いた。学校放送番組を活用した授業とICTを活用した授業を公開。授業交流や研究協議を行うなど、研究を深めた。

 大会テーマは「未来を拓く、主体的・対話的で深い学びの創造~子どもが生き生きと学ぶアクティブ・ラーニングをめざす学校放送番組・ICT活用」。

 授業公開後の開会式では、札幌市視聴覚教育研究会の日戸会長があいさつ。公開した二授業の内容にふれたほか、研究討議について「今後につながる有意義な話し合いをしてほしい」と呼びかけた。

 続いて授業交流・研究討議を実施。それぞれの担当者が研究内容のほか、授業について説明。また、授業についての意見を交換した。

 閉会式では、札小放の斉藤会長があいさつ。授業公開や研究協議について「放送教育と視聴覚教育にとって交流の場となったほか、研究の広まりと深まりの機会となった」と話した。

◆学びを深める工夫紹介 北野平小 2年国語、5年算数公開授業

 札小放と札幌市視聴覚教育研究会の研究大会では、北野平小の宮津光洋教諭が二年二組(児童数二五人)の国語「にたいみのことば、はんたいのいみのことば」を、石川龍太教諭が五年二組(児童数二九人)の算数「正多角形と円」をそれぞれ公開した。

◆国語で番組活用

 札小放では、研究主題を「未来を拓く 主体的・対話的で深い学びの創造~子どもが生き生きと学ぶアクティブ・ラーニングをめざす学校放送番組活用」と設定。研究の視点として、①学び合いが生まれる単元構成・教材化②協働的な学びを深める教師のかかわり―の二点を据えている。

 宮津教諭の「にたいみのことば、はんたいのいみのことば」は二時間扱いの二時間目。本時の目標を「言葉には意味による語句のまとまりがあることに気付き、対義語を集めようとしている」と設定した。

 宮津教諭は長さが違う二本の鉛筆が書かれた絵を提示。「長い・短い」「きれい・汚い」など二本の特徴を確認したあと、「反対の意味の言葉を集めよう」と呼びかけた。

 続いて放送番組「ことばドリル~はんたいのことば」を上映。反対の意味について理解を深めさせ、視点①から楽しく学ぶ場を継続させるため、書かれたカードの反対の意味を言うゲームに取り組ませた。

 各グループに二十枚のカードを配布。「いく」「あつい」「ぬぐ」「のぼる」など書かれたカードの裏に反対の意味を書かせた。ゲームでは、児童が一枚カードを出し、他の児童がカードの反対の意味を答えた。

 児童から「高いの反対は安い?低い?」「脱ぐの反対は着る?被る?」など複数の言葉が発表された際には、視点②からどういった場面でその表現を使うのかを考えさせるなど、対義語の面白さや日本語の表現の豊かさを感じさせるように取り組んだ。

◆算数でICT活用 プログラミング教材で理解促進

 札幌市視聴覚教育研究会では、研究主題を「子どもをつなぎ 学びを深め 豊かな表現を生む視聴覚教育を目指して~視聴覚機器やICTの活用を通して」と設定。研究の視点に、①子どもたちの学習につながりを生み、様々な問題に対応し解決する力を育てるための視聴覚教育の実践②情報教育の充実―の二点を据えて研究を進めている。

 石川教諭の「正多角形と円」は十時間扱いの四時間目。本時の目標を「プログラミングで正多角形を描く活動を通して、角度の大きさは内角ではなく外角を使うことを発見し、正多角形の描き方や図形の角度に対する見方を広げることができる」と設定した。授業に当たっては二人一組でパソコンを一台使わせた。

 石川教諭はプログラミングのアプリケーションソフトの使い方を確認させたあと、正多角形を書く活動を展開。視点①からプログラミングで正多角形を書くという活動を取り入れることで、紙に書くときとは違った書き方に気づき、図形の角度に対する見方を広げることをねらった。

 九〇度右に向く動作を四回入力する正方形の書き方を確認したあと、正三角形を書かせる活動を展開。「六〇度を入力したら正三角形にならない」「一二〇度を入力するとできた」という児童の声を取り上げ、どうして一二〇度を入力すると正三角形が書けるのか問いかけた。

 全体交流では、「分度器を使えば一二〇度になる」「外角が一二〇度」などの発表から、正三角形を書くための方法を確認させた。

 また、視点②から、それぞれの多角形の角度の見方を板書。角度の決め方に気付かせるなど、「どんな正多角形でも書ける」と考える思考が広がるように取り組んだ。

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市視聴覚研究会合同大会視聴覚
石川教諭は、プログラミングを使った授業を展開

(関係団体 2018-12-14付)

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