【解説】特別支援学校高等部の新学習指導要領案
(解説 2018-12-26付)

 文部科学省は、二〇二二年度の入学生から実施する特別支援学校高等部の新学習指導要領案をまとめた。知的障がい者である生徒に対し、小・中・高の学習指導要領における各教科等の目標や内容の一部を取り入れることを可能とするなど、学びの連続性を重視。来年度から開始となる移行期間の教育課程の特例案とともに、来年一月十九日までパブリックコメントを実施している。

 改訂のポイントとして、社会に開かれた教育課程の実現、育成を目指す資質・能力、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善など、初等中等教育全体の改善・充実の方向性を重視する。小・中・高の教育課程との連続性を重視するほか、障がいの重度・重複化、多様化への対応、卒業後の自立と社会参加に向けた充実などを挙げている。

 教育内容に関する改善事項をみると「重複障害者等に関する教育課程の取扱い」において、生徒の学びの連続性を確保する視点に基づいて基本的考えを規定。知的障がい者の生徒に対し、特に必要がある場合には、小・中・高の学習指導要領における各教科等の目標や内容の一部を取り入れられることを定めた。

 自立と社会参加に向けた教育の充実を図るため、卒業後の視点を大切にしたカリキュラム・マネジメントを計画的・組織的に行うほか、家庭や地域、関係機関等との連携を図り、キャリア教育の充実を図っていく。また、高校と同様、従来の「総合的な学習の時間」を「総合的な探究の時間」に改める。

 移行期間中の教育課程の特例案では「総合的な探究の時間」を二〇一九年度入学生から、「特別の教科 道徳」を二〇二〇年度入学生から先行実施することを盛り込んでいる。

(解説 2018-12-26付)

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