特別支援学校進路指導協議会開く 学校相互の連携目指す 110人参加し講演や分科会(関係団体 2018-12-26付)
進路指導力の向上などについて協議した
道特別支援学校(知的障害)進路指導連絡研究協議会(松浦孝寿会長)は十四日、道立特別支援教育センターで秋季道特別支援学校(知的障害)進路指導連絡研究協議会を開いた。道内特別支援学校の教員など百十人が参加。講演や分科会での研究協議を通して、進路指導力の向上や学校相互の連携を目指した。
障がいのある生徒の就労にかかる諸問題について研究協議や対策を検討し、進路指導にかかる関係機関、学校相互の連携を深めることがねらい。
冒頭、総会を開催。二十九年度会計決算や申し合わせ事項の改正などを承認した。引き続き協議会に移り、開会式で松浦会長があいさつ。卒業後の生徒を取り巻く社会環境が日々変化していることにふれる一方で、卒業後の生徒の学びの場が少なく、就職先での不適応や早期離職などの課題を指摘した。
「環境に適応できる資質・能力を備えた生徒の育成が必要であると同時に、私たち支援者も就労支援の知見を深めアップデートする必要がある」と指摘。協議会を通して、知見を累積し、連携を強化できる機会になることを期待した。
来賓あいさつでは、道教委の谷垣朗特別支援教育課長、札幌市教委の檜田英樹学校教育部長が登壇した。
谷垣特別支援教育課長は、道教委が「経済部と連絡を図り、企業向け学校見学会の開催の拡充や、サポート企業の取組を行ってきた」ことを紹介。各学校に向けて「生徒が自己理解を深め、将来望ましい自己実現ができるよう、学習と現場実習の系統性を意識することが大切」と指摘した。
檜田学校教育部長は、特別支援教育のニーズが多様化していることにふれ、「関係機関と連携しながら、個に応じた指導を充実させていくことが求められている」と指摘。「生徒が社会で生き生きと活躍できる進路の実現のために、この協議会が実り多いものとなることを期待している」と述べた。
研究協議Ⅰでは、事前に集計した進路に関するデータをもとに、各校の課題を共有。ここ数年で一般就労の実習受け入れや就職率は上がっているものの、企業の障がい者への理解不足によって、受け入れ時に困難が生じていることを報告した。
また、生活介護や入所施設、グループホームの空きがなく、実習や卒業後の進路を決めることが難しい状況にあることも指摘。
このほか、卒業後に支援を拒否して福祉ネットワークから外れたり、SNSなどでトラブルを起こしたりするなど卒後支援の課題などについて取り上げた。
つぎに、㈱シムスの斎藤規和代表取締役が「障がい者雇用と企業経営~十六年間の雇用の実践を通して」と題して講演。障がい者雇用の実態や企業の実践を紹介し、雇用者の意識を変えていく必要性を訴えた。
研究協議Ⅱ(分科会)では、研究協議Ⅰで明らかになった様々な課題を柱に、一般就労部会、福祉的就労部会に分かれて討議した。
このあと、㈱ジェイアイシー北海道支店の藤元健一郎支店長から「障がい者基礎年金に関わる講師派遣および総合保障制度について」の説明を受けた。
(関係団体 2018-12-26付)
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