札小英研が研究大会開催 英語で人とかかわる喜びを 二条小3・5年の授業公開(関係団体 2018-12-21付)
分科会や講演を通し研鑽を積んだ
札幌小学校英語活動研究会(=札小英研、類家斉会長)は十三日、札幌市立二条小学校(大牧眞一校長)で第四回研究大会を開催した。研究主題「英語を通じて人と関わる喜びを実感し、世界を広げようとする児童の育成」のもと、三年生と五年生の授業を公開。文部科学省の直山木綿子教科調査官による講演も行い、外国語活動・外国語科の発展に向け、研鑚を積んだ。
◆文科省・直山教科調査官が講演
同会の目指す授業像は「思考力・判断力・表現力を活用して問題を解決し、英語を通じて人と関わる喜びが生まれる授業」。授業像の実現に向けて、①思考力・判断力・表現力を活用して問題を解決し、課題を達成する教材化②単元を通して学ぶ意欲を高めていく教師のかかわり―の視点をもとに、研究を進めてきた。
授業公開後の開会式では、類家会長があいさつに立ち、新学習指導要領などが求める指導の在り方を理解し、全国や市の状況などをとらえながら実践を進めてきたことを説明。「今後の方向性について具体的な発信ができるように、日常の実践に裏打ちされた論議を重ねてきた」と述べ、参会者にきたんのない意見を求めた。
続いて、阿部勇登研究部長が研究提案。
視点①については、課題を達成しようとする過程で困り感や疑問、欲求が生まれることにふれ、「思考力・判断力・表現力などを活用して解決するもの」と説明した。
分科会では、担当者が公開した授業のねらいなどを説明したほか、質疑応答を行った。
このあと、文科省の直山教科調査官が「新学習指導要領全面実施に向けて今、取り組むこと」と題して講演。言語活動の重要性などにふれ、高学年向け新教材『We Can』で設定された活動「Small Talk」のねらいや進め方などを解説した。
また、言語活動で子どもに相手意識をもたせ、質問や回答への必然性のある活動を行うことで、より深い学びにつながることを伝えた。
◆児童の積極性引き出す 宝探しゲーム 英語で交流 授業公開
開会式に先立ち、二条小の千葉泰教諭と井関愛耶教諭がそれぞれ授業を公開した。
このうち、井関教諭が指導した五年一組(児童数三九人)の「We Can!1 Unit7 “Where is the treasure”」は、六時間扱いの六時間目。本時の目標を「他者に配慮しながら積極的に場所を尋ねたり道案内をしようとする」と設定した。
井関教諭は、はじめにSmall Talkとして同校周辺にある店舗を、既習の道案内の表現を使用しながら紹介。前時に行った道案内を円滑に進める英語表現なども振り返った。
つぎに、クラスの友達の宝物を探す活動を実施。ディスプレーにクラス全員分となる三十九個の宝物一覧を示し「この宝物は誰のだろう」などと問いかけることで、児童の宝探しへの意欲を高めた。
三十九番までの番号が様々な場所に提示されている同校周辺の地図を見せながら、井関教諭がデモンストレーションとしてある児童の宝物までの道案内を実施。児童を道案内する側と宝物を問いかける側に分け、自由に交流させた。
中間交流では、問いかける側の児童の中に「良いな」と思った人はいたか尋ね、「(道案内を)繰り返してくれた。自分の言ったことが伝わってると安心する」など、児童の意見を板書してまとめた。視点①から、聞く側の良い点を取り上げることで、他者に配慮しながら円滑にコミュニケーションを取ろうとする児童の姿を目指した。
困ったことも問いかけ、「“戻って”と日本語でしか言えなかった」といった児童の意見を受け、新たな英語表現を提示。また、児童の「話す人が不安にならない聞き方をしたい」といった前時の振り返りを紹介し、円滑なやり取りのための目標を確認。道案内と問いかける側を交換して、再び児童同士で交流させた。
全体交流では、視点②から、聞き返しやエコーイングを活用していた児童を取り上げ、やり取りを発表させた。何人かの児童の宝物の理由についても発表させ、互いの思いを表現したり、知ったりする楽しさを体感させた。
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井関教諭は、同校周辺の地図を用いて、「友達の宝探し」を行わせた
(関係団体 2018-12-21付)
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