30年度札幌市教育実践功績表彰の受賞者・校
(市町村 2019-01-29付)

渡辺校長三角山小
三角山小・渡辺寛志校長

 三十年度札幌市教育実践功績表彰式における受賞者および受賞校の功績はつぎのとおり。=敬称略=

【個人表彰】

▼渡辺寛志(三角山小校長)

 体育科教育に関する実践研究を熱心に行い、札幌市小学校教育課程編成の手引においては作成委員長を務めるなど、小学校の体育科教育の在り方を形づくった。

 校長としては学校の夢づくり支援事業によって、冬期間も運動を継続できる取組を最重点として推進するとともに、「オリンピック・パラリンピック教育推進事業」においてはオリンピアンを招いた道徳の授業を実施したほか、東京女子体育大学や芸術家と連携した授業を実施するなど、特色ある教育課程の充実を図っている。

 また、札幌市性教育研究会会長、北海道性教育研究会副会長として「性に関する指導」の研究・実践に取り組み、全国性教育研究大会の札幌開催に尽力するとともに、札幌市学校体育研究連盟委員長として若手教員の公開授業や研修会を積極的に行っている。

▼佐藤辰也(日新小校長)

 算数教育の研究において中心的な役割を担い、北海道算数数学教育会においては、研究部長、事務局長、副部会長を歴任し、市のみならず北海道における算数教育の発展に寄与している。道内各地域の算数関係者とともに授業および研究発表に対して的確に助言。その取組は授業者および発表者の意欲の向上につながっている。

 また、算数にーごープロジェクトにおいて、二十八年度に小学校五・六年のカリキュラムの作成委員長に就任。策定されたカリキュラムは、三十年度から全市で展開・活用され、児童の学ぶ意欲と論理的思考力を高めている。さらなる改善に向け、三十年度のカリキュラム委員会においても引き続き委員長として尽力している。

 札幌市内で開催される各種研究会においても多くの学校で助言者を務め、高い評価を得ている。

▼木谷貢一(宮の森中校長)

 長年にわたり小中連携に精力的に取り組むなど、学校経営に尽力している。現任校においては、三十年度から、三角山小、大倉山小、盤渓小との連携を一層深め「主体性の育成」を柱として、九年間を通して子どもの資質・能力を育成する小中一貫教育の実践を始めている。誠実で温厚な人柄から、生徒、教員、保護者からの信頼も厚い。

 また、札幌市中学校長会副会長、道中学校長会副会長として、生徒の自己肯定感・自己有用感の醸成に視点を当て、他者とかかわりながら、社会的資質を高めていく指導の充実が図られるよう、研究を進めている。

 数学教育の研究において中心的な役割を担い、二十七年度には道算数数学教育会の小学校部会、中学校部会、高校部会を束ねる総括本部事務局長として、日本数学教育学会第九十七回全国算数・数学教育研究大会の成功に大きく貢献した。

▼小路徹(中島中校長)

 理科教育の研究において、札幌市のみならず北海道の中心的な役割を担い、道中学校理科教育研究会の会長として、実践的研究の推進、組織の充実に尽力している。

 二十五年度から二十九年度まで札幌市の研究開発事業の成果として作成した小中学校理科の観察、実験の手引の作成委員長、二十九年度教育課程編成の手引作成副委員長および理科部会の部会長を務め、適切な指導や助言を行い厚い信頼を得ている。

 歴任した中学校においては、地域や保護者、生徒の実態に応じた教育課程の編成に努め、様々な教育課題の解消や学習指導要領の趣旨を踏まえた授業が推進されるよう、チーム学校として同僚性を発揮した取組を進めている。

 理科教育はもとより、生徒主体の課題探究的な学習に対する知見や授業技術が高く、広い分野で札幌市の上質な教育の推進に力を発揮している。

▼松澤史子(青葉小教諭)

 長年にわたり言語障がい通級指導教室での指導に尽力しており、通級指導教室に通う児童生徒の教育的ニーズを的確に把握し、一人ひとりの豊かなコミュニケーション能力の育成に努めてきた。常に自己研鑚を積み重ねる姿は、通級指導にかかわる多くの教諭の手本となっている。

 長年の実績に加え、指導方法に関する不断の研究から、子どもや保護者の心的状況に寄り添った指導に定評がある。また、個別対応が中心となる通級にありながら教職員の協働を大切にしており、子どもや保護者のみならず、教職員からの信頼も厚い。

 二十九年度から、道言語障害児教育研究協議会事務局長を務めるとともに、市内のほか、道内の多くの各種研修会等で講師を務め、北海道の言語障害教育の発展に大きく寄与した。

 札幌市小学校教育課程編成の手引や特別支援教育ハンドブックの作成委員を務め、よりよい指導方法を全市に広めるなど、本市の通級指導および特別支援教育に関して大きく貢献している。

▼北浜裕美(山鼻南小養護教諭)

 山鼻南小学校において養護教諭、保健主事、校内学びの支援委員会の特別支援教育コーディネーター、研究部員として困難を抱えている児童、保護者への教育的支援、校内研究や健やかな身体づくりなど、多大な貢献をし、学校教育の充実・発展に寄与している。

 いのちと性に関する指導のカリキュラムを作成し、年に二度、いのちの学習週間を設定し、継続的に学年の発達段階や健康課題に沿った授業・保健指導を実施している。

 定山渓小学校では、日本歯科医師会等の研究委託校として、学校歯科医と連携し歯・口の健康づくり学習を学校の教育活動の核に育て上げたほか、地域と連携して生活習慣病予防などを呼びかける健康フェアを企画・実施し、これらの活動を学校・地域に根付かせた。

 二十九年度には札幌市保健所と札幌市教委による“健口ノート”の作成委員として貢献したほか、三十年度は札幌市教育開発事業研究課題「がん教育」授業者として、各方面で活躍しており、学校保健関係者から高く評価されている。

▼上家浩幸(市立札幌みなみの杜高等支援事務長)

 これまでの勤務校において、管理職をよく補佐するとともに事務室経営に尽力している。市立札幌大通高校では、初代事務長として開校準備室からかかわり、生徒・保護者の多様な家庭事情を考慮し安価な徴収金となるよう備品の選定などを工夫するとともに、課題であった夜間給食では券売機を使用した夜間定食を考案するなど、豊かな発想が生かされた。

 市立札幌みなみの杜高等支援学校でも初代事務長として、カフェ運営にかかわる札幌市の収入としての価格設定や、教員による現金分任出納員等について、前例のないシステムを関係部署と何度も協議を重ねることで整えた。また、生徒や保護者が安心できる事務室となるよう自ら率先して業務に当たり、丁寧な対応で事務室経営に貢献している。

 札幌市立高校・特別支援学校事務長会において、十九年度から役職を担い、在任校のみならず、市立高校および特別支援学校全体を俯瞰的にとらえ、事務室経営にかかわる各学校の課題について指導助言を行うとともに、後進の指導にも惜しみなく尽力している。

【学校表彰】

▼札幌市立福移小学校および札幌市立福移中学校(荒川芳央校長)

 二十八年度から継続して小中連携・一貫教育推進事業におけるモデル研究校として小中一貫九年間の学びのプログラムの構造化を図ることを重点に、札幌市の小中一貫教育のけん引役としての役割を担っている。

 これまでの小中連携の土台を生かし、小・中学校の計九年間の学びを接続する取組として、中学校の総合的な学習の時間「ポロカル」を教育課程の軸と設定。

 中学三年生のポロカル発信会において学習の成果を個人発表することができる力を身に付けることを児童生徒、教職員がともに目指し、それに必要な力を学習内容とともに九年間で身に付ける小中一貫教育に取り組んでいる。

 小中教職員の協働による教科指導としては、小学校と中学校の教員が指導に対する専門性を生かせるよう、音楽科においては中学校の教員が小学校四~六年生の専科指導を行い、小学校外国語活動においては小学校三~六年生の学級担任と中学校外国語科の教員がチーム・ティーチングを行うほか、社会・理科・図画工作・美術でも日常的に小中相互の教員による授業を行い、協働して九年間のつながりのある学習指導に取り組んでいる。

 また、農園活動などの全学年の縦割りグループによるレインボー活動によって、上級生への憧れや下級生への思いやりの心を育て、児童生徒の自己肯定感を高めている。

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佐藤校長日新小
日新小・佐藤辰也校長
木谷校長宮の森中
宮の森中・木谷貢一校長
小路校長中島中
中島中・小路徹校長
松澤教諭青葉小
青葉小・松澤史子教諭
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山鼻南小・北浜裕美養護教諭
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市立札幌みなみの杜高等支援学校・上家浩幸事務長

(市町村 2019-01-29付)

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