新たに学校プールの在り方検討　効率的に老朽化対策　札幌市教委が３１年度から

（市町村 2019-01-28付）

　札幌市教委は三十一年度、新たに学校プールの在り方について検討を進める。一校または複数校に一つのプールを設置した場合にかかる費用や維持管理費のほか、複数校で一つのプールを利用することなどについて検証し、課題や効果を整理するもの。プールがある市立小・中学校二百五校のうち、九三・六％が設置から二十年以上経過しており、老朽化が進んでいる。検討を行うことで、限られた財源の中で効率的な老朽化対策を進めていきたい考え。

　市教委が二十八年三月に策定した学校施設維持更新基本計画では、「改築」「緊急整備」「リニューアル改修」「予防保全」の四つの手法を組み合わせて学校施設の老朽化対策を行うこととしている。

　計画におけるプールの整備に関しては、改築にかかる概算費用として三十二年度から一年当たり十億四千万円（年九校程度）、改修にかかる概算費用として、二十七年度から三十年間で五十八億五千万円を試算。プールの老朽化を「深刻な状況」としている。

　市内では現在、市立小・中学校二百五校にプールが設置されている。このうち、同計画で改修が必要とされている築二十年以上の老朽化したプールがあるのは百九十二校で、全体の九三・六％。百九十二校のうち八十校は、設置から三十年以上が経過している。

　市教委では、プールの老朽化が進んでいる中、限られた財源の中で対策を進めるため、三十一年度、新たに学校プールの在り方について検討を進める。

　事業では、①効果的・効率的な学校プールの在り方検討業務②他校プール利用等の試行実施―を行う予定。

　①では、一校につき一つのプールを設置することのほか、二校につき一つ、五校につき一つなど、各例に必要な設置費・維持管理費などを比較・検討するほか、課題や効果などの整理を行うことを想定している。

　②では、改築などでプールが使用できない小学校六校を対象に、他校のプール利用等を試行的に行う見通し。三十年度中に、対象校六校と、プールを利用する相手校六校を決定したい考えで、児童が他校に向かう手段については、バスや徒歩などを想定している。

(市町村 2019-01-28付)