数学的活動の効果探る 初等教育研究会札幌市算数支部 研究大会に170人 二条小6年の授業を公開(関係団体 2019-02-06付)
初等教育研究会札幌市算数支部(松村聡支部長)は二日、札幌市立二条小学校で第十八回研究大会を開いた。教職員のほか、道内外の関係者ら合わせて約百七十人が参加。大会テーマ「“数学的な見方・考え方を働かせ、数学的な活動を通して”が、“どんな資質・能力をはぐくむことにつながるのか”について考える」のもと、研究授業や研究協議、講演を行った。
開会式では、出葉充副支部長があいさつ。同会の成り立ちや伝統などにふれたほか、研究大会について「新たな考えを抱くきっかけとなれば」と呼びかけた。
研究提言に続き、二条小の湯澤将武教諭が六年二組(児童数三九人)の「中学校への架け橋“正の数、負の数”」を公開。本時の目標を「正の数と負の数のカードを用いたゲームを通して、負の数を含む簡単な計算をしたり、数直線と対応させたりしながら、自ら負の数に目を向けて範囲を拡げて考えることができる」と設定した。
湯澤教諭は、ホワイトボードにゼロから8まで書かれた数直線を提示。できるだけ少ない枚数で「ゼロ」の位置から目的地「2」にたどり着くため、「プラス9」「マイナス2」「マイナス5」「マイナス3」「プラス6」「プラス7」のどのカードを使えばいいかを問いかけた。
数直線の7は工事中のため、ぴったりと止まれないというルールから「プラス7」「マイナス5」の順番でカードが使えないことを確認。児童の発表から「プラス9」「マイナス5」「マイナス2」の順番で三枚のカードを使うと目的地にたどり着くことを理解させた。
また、負の数へ考える範囲を拡げようとする考えを引き出すため、さらに少ない枚数でたどり着く組み合わせがあるかを問いかけた。「温度計はゼロからマイナス一になる」など生活体験とつなげて考える児童の発表から、負の数へ考える範囲を拡げることで「マイナス5」「プラス7」と少ないカードで目的地にたどり着くことができることを実感させた。
このあと、カードの数字を変更したほか、ぴったり止まれない数字を増やすことで、児童が正の数や負の数の範囲をさらに拡げて考えられるよう取り組んだ。
授業後は研究協議を行ったほか、筑波大学附属小学校の盛山隆雄教諭が六年一組の「円の面積の活用」を公開。また、盛山教諭が「“数学的な見方・考え方を働かせ、数学的な活動を通して”が、“どんな資質・能力を育むことにつながるのか”について考える」と題して講演した。
(関係団体 2019-02-06付)
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