道いじめの防止等に向けた取組プラン
(道・道教委 2019-02-18付)

 道教委がまとめた道いじめの防止等に向けた取組プランの各項目における具体的取組内容はつぎのとおり。

【いじめの認知】

▼いじめに対する理解の深化

▽教職員や保護者のいじめに対する認識を把握するためのアンケート調査の実施、およびアンケート結果を活用した法や条例等の正しい理解やいじめに対する認識を深めるための取組の促進

▽学校のいじめ防止基本方針やいじめに対する取組について、保護者の理解を図るため、入学式や各年度の開始時にいじめに関する相談窓口の周知を行うとともに、資料を配付し、説明を行うなどの取組の促進

▽道内におけるいじめの防止等の機運醸成を図るための啓発事業の重点期間の設定

▼いじめの積極的な認知に向けた取組の充実

▽各学校におけるいじめの積極的な認知に向けて、いじめとして認知すべき具体例を示すとともに、教員同士が自校の実情について協議し合う機会の設定や、協議結果を踏まえた学校における研修の充実促進

▽学校において、いじめを見逃すことのないよう、アンケート調査や個人面談の実施後、管理職を含めたいじめ対策組織が、それらの結果の検証を適切に行うための留意点をまとめた資料の作成・配布

▽いじめの認知が「0」件であった学校について、その事実を児童生徒や保護者向けに公表し、検証を仰ぐような取組の促進

【いじめの未然防止】

▼生徒理解の充実に向けた取組

▽児童生徒の理解の充実を図るため、道教委と北海道医療大学が共同で開発した、児童生徒のコミュニケーションスキルを測定する「子ども理解支援ツール『ほっと』」の更新および積極的な活用の促進

▼学校全体(組織)の取組

▽児童生徒や地域の実態を把握するとともに、児童生徒の豊かな心の涵養に向けた各教科・科目、特別活動、総合的な学習の時間および道徳などの指導との関連を図った教育課程の編成・実施の促進

▽道教委が作成した「いじめ未然防止モデルプログラム」の改善・充実や、いじめの未然防止に向けた効果的な学校行事や体験活動を取り入れた、各学校における特色ある「学校いじめ防止プログラム」の作成、見直しの促進

▼教科・特別活動等における取組

▽いじめに向かわない態度・能力の育成に向けて、各教科・科目、特別活動等の特質に応じて、生徒指導と関連付けた授業を実践するための年間指導計画の作成・見直しの促進

▽児童生徒の自己有用感や自己肯定感を高める取組や、いじめを自分のこととして捉え、考え、議論する取組の促進

▼児童・生徒会における取組

▽道教委が主催する「どさんこ☆子ども全道サミット」における、いじめの防止等に向けて主体的に取り組むリーダーとなる児童生徒の育成

▽国が主催する「全国子どもサミット」と連動した「仲良しコミュニケーション活動奨励事業」の実施による児童生徒の意見を取り入れた各学校の取組の活性化の促進

▼部活動における取組

▽いじめの重大事態調査報告書の指摘を踏まえ、道教委が発出した通知や「北海道の部活動の在り方に関する方針」を踏まえた、各学校における生徒指導の視点に立った部活動の運営に向けた取組等の促進

【いじめの早期発見】

▼日常的な見守りの充実

▽いじめのサインとして注意すべき児童生徒の行動や態度をまとめた「いじめの早期発見のためのチェックリスト(例)」の提供と活用の促進

▼教育相談体制の充実

▽児童生徒、保護者に対しスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの役割や活動などを周知する取組の促進

▽教職員の教育相談のスキル向上やスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの効果的な活用の充実を図るためのスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの校内研修への講師としての派遣

▽多様な相談窓口やスクールカウンセラーの積極的な活用等を図るためのスクールカウンセラースーパーバイザー制度の導入の検討

▼進んで相談しようとする態度の育成

▽児童生徒等からの相談がきっかけでいじめを解消できた事例等をまとめた、援助希求に関する啓発資料を作成・配布

【いじめの対応】

▼組織的な対応

▽学校におけるいじめの防止等に関する措置を実効的に行うための中核的な組織である「学校いじめ対策組織」の役割について、教職員、児童生徒および保護者の理解を深めるための取組の促進

▽いじめの認知から解消までの組織的な対応の流れや、適切な事案対処のための取組、対応の記録方法などをまとめた資料を配付し、説明を行うなど、各学校における「対処マニュアル」の作成、見直しの促進

▽特別な配慮が必要な児童生徒に対する対応や教職員がいじめを助長しないための留意事項などを含めたいじめの適切な対応について、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを講師とした校内研修の実施および「被害児童生徒」や「加害児童生徒」に対する相談体制の充実に向けた取組の促進

▽コミュニティ・スクール(学校運営協議会)における取組などによって、各学校と家庭、地域等が連携・協働し子供たちを見守る体制づくりの促進

▼外部人材の活用

▽外部専門家チームの活用に向けた資料を作成し、配布するなど、各学校における積極的な活用の促進

▽医療や福祉、法律等に携わる又はその経験を有する地域の専門家に対する、外部専門家チームの役割や活動内容の説明、学校への支援方法についての助言などを行う「仮称・外部専門家スーパーバイザー」の養成

▽「仮称・外部専門家スーパーバイザー」を中心とした学校と地域の専門家や地域の専門家同士の連携体制の構築による地域の人材の有効活用に向けた取組の促進

▽外部人材の効果的な活用の調査・研究を行う指定事業の計画、実施、成果の検証および普及

【いじめの重大事態への対応】

▼再発防止のための取組の充実

▽いじめの重大事態調査報告書に示された再発防止のための提言にかかる取組状況について、「北海道いじめ問題審議会」への定期的な報告および審議会における評価

▽いじめによる重大事態が発生した学校における再発防止に向けて、定期的な当該学校への訪問および学校の取組に対する指導助言の実施

▽当該学校以外の学校における再発防止のために、過去のいじめの重大事態の調査報告を踏まえた校内研修の実施

▼適切な調査の実施と支援

▽いじめの重大事態の調査について、ガイドラインに沿った調査を行う際の手順、役割分担および留意事項等をとりまとめた「標準的調査手法」の作成。また、必要に応じ、市町村教育委員会に対する「標準的調査手法」を踏まえた情報の提供

▽市町村における常設の調査組織の設置を促すため、未設置市町村を巡回して、組織の必要性についての説明を実施

▽未設置市町村において、いじめの重大事態が発生した場合については、必要に応じて調査実施前に職員を派遣するとともに、私立学校を含め、当面必要な対応や調査などについて助言を行うなどの支援を実施

【その他必要ないじめの防止等対策】

※三十二年度までにつぎの取組を行う。

▼未策定市町村に対する必要な支援

▽策定に当たっての留意事項やポイントをまとめた資料、他市町村の基本方針をまとめた資料を作成し、未策定市町村に提供

▽未策定市町村に対し、実効性の伴う基本方針となるよう策定に向けた積極的な指導・助言の実施

(道・道教委 2019-02-18付)

その他の記事( 道・道教委)

道教委が第2回SNS相談窓口―3月11日から 7管内と胆振東部5市町で 近く周知カードを配布

 道教委は三月十一日から十日間、本年度第二回目となるSNSを活用した相談窓口を試行開設する。日高など七管内の公立中学校生徒のほか、北海道胆振東部地震で大きな被害のあった胆振東部の五市町の中高...

(2019-02-19)  全て読む

総額1234万円、未来人財応援など 道の総合教育関係予算案

 道は、十五日開会の一定道議会に総額一千二百三十四万円の三十一年度総合教育関係予算案を提案した。前年度当初比一千七百八十三万円の減。  北海道未来人財応援事業費に一千八十四万円を措置したほ...

(2019-02-19)  全て読む

2次募集は50校・572人 特別支援高等部・専攻科 道教委

 道教委は十四日、三十一年度公立特別支援学校(高等部・専攻科)入学者第二次募集人員などを発表した。五十校で五百七十二人を募集する。  第二次募集人員などの内訳はつぎのとおり。 ▼視覚障が...

(2019-02-18)  全て読む

道教委早寝早起き朝ごはんアンケート テレビ等の時間が減少 「ネットルール大切」68%

 道教委は、本年度新たに実施した「早寝早起き朝ごはん推進校事業」のアンケート結果をまとめた。昨年六月とことし一月の結果を比較し、推進校三校における生活習慣の向上に向けた取組の成果を検証。テレ...

(2019-02-18)  全て読む

地域で改善方策を共有 石狩局―学力・生活習慣改善研修会 

子どもの学力・生活習慣改善研修会  石狩教育局は一月下旬、江別市民会館でほっかいどう学力向上推進事業子どもの学力・生活習慣改善研修会を開いた。保護者や地域住民、学校関係者、市町村教委職員など約百七十人が参加。講演や実践発表、...

(2019-02-18)  全て読む

道立学校業務継続計画策定の指針 非常用物資確保を追記 道教委が地震・津波篇

 道教委は『学校における危機管理の手引き』を踏まえ、『道立学校業務継続計画策定の指針(地震・津波篇Ver2)』を作成した。災害発生後、校長が直ちに確保するものとして「非常災害時用物資」を追記...

(2019-02-18)  全て読む

高校教育アクションプログラム案―道教委 地方創生の観点など追記 取組スケジュールを明示

 道教委は、仮称・道高校教育アクションプログラム案をまとめた。新たに、教育再生実行会議第十一次提言中間報告の内容を追加したほか、「本道の高校教育の現状と課題」「本道の高校に求められる教育」の...

(2019-02-18)  全て読む

緊急対応業務チェックリスト作成―道教委 代替通信手段準備など 危機管理マニュアル見直し要請

 道教委は、新たに『緊急対応業務内容チェックリスト』を作成した。「事前の危機管理」「個別の危機管理」「事後の危機管理」に関するチェック項目を整理。電話、メールが使用できない場合の代替通信手段...

(2019-02-15)  全て読む

受賞3者の功績たたえる 留萌局が管内教育実践表彰式

管内教育実践表彰(遠別農業)  【留萌発】留萌教育局は一月下旬の二日間にわたり、本年度管内教育実践表彰の表彰式を執り行った。新井明局長、青木純一教育支援課長が受賞者のもとを訪れ、管内の学校教育の向上、社会教育の推進に貢献...

(2019-02-15)  全て読む

第4回代表高校長研 道教委所管事項説明(下)

■義務教育課 【三十一年度全国学力・学習状況調査】  四月十八日(木)に実施される三十一年度の全国学力・学習状況調査について、主な変更点をお知らせする。  中学校の教科に関する調査に、...

(2019-02-15)  全て読む