【解説】文部科学省創生実行計画

（解説 2019-04-01付）

　文部科学省は、省の創生の在り方と実行方策をまとめた文部科学省創生実行計画を公表した。変革すべき組織風土と今後の方向性、基本方針や行動指針を提示。省創生に向けた具体的取組や今後の工程表を示している。

　文科省は、昨年起きた私立大学の支援事業に関する幹部の逮捕・起訴事案、再就職等規制違反問題などを踏まえ、国家公務員の服務規律の順守状況や公募型事業の決定プロセスを調査する調査・検証チームを設置。文科省未来検討タスクフォースでの検討をもとに、文科省創生実行本部において、省創生に向けた方策をまとめた。

　具体的取組として、①組織風土改革および組織体制・カバナンスの強化②文部科学省を担う人材の強化（人材育成・採用・配置等の改革）③現場に根差した政策立案機能の強化④広報機能の強化⑤業務改善の徹底―を提示。

　①では、不祥事防止の内部統制環境性の整備、幹部自身の業務運営上の方針の策定・周知など幹部のリーダーシップの確立を挙げている。②では、省内における人事改革を掲げ、国立大学法人との人事交流の改革、「仮称・人材育成の基本的な考え方」の策定、職位ごとに求められる能力（コンピテンシー）の策定・運用などを掲げた。

　③では、若手からの多様な業務（法令・予算・企画など）のバランスの良い経験の必要性や「仮称・提案型政策形成」、省内公募ポスト導入を提示している。

　実効性の確保を図るため、今後、省内幹部などを構成員とする文科省改革実行本部を設け、取組効果を検証。新設の「省改革推進・コンプライアンス室」が実行本部の事務局となり、取組を報告・指示するほか、計画実行の推進方策やさらなる改革方針を文科省改革実行本部に提案する。

(解説 2019-04-01付)