【解説】適切な教育課程編成・実施を
(解説 2019-04-05付)

 多くの小・中学校において、学習指導要領で定める標準授業時数を上回る年間授業時数を組んでいることが、文部科学省の調査で明らかになった。文科省の通知を受け、道教委は3日付で通知「31年度以降の教育課程の編成・実施について」を各教育局長、市町村教委教育長などに発出。新学習指導要領の全面実施を見据え、31年度以降の適切な教育課程の編成・実施に努めるよう求めた。

 30年度公立小・中学校における教育課程の編成・実施状況調査結果では、30年度計画における年間総授業時数(余剰時数含む)の全国平均は、小学5年生が標準授業時数995単位時間に対し1061・0単位時間、中学1年生が1015単位時間に対し1072・6単位時間。

 中央教育審議会の答申で、標準授業時数を大きく上回る授業時数と指摘された小学5年生の授業時数は1086単位時間以上。一方、30年度計画で1086単位時間以上と回答した小学校の割合は全体の25・7%に上る。

 文科省は、31年度以降の教育課程の編成・実施における留意事項を示す通知を発出。児童生徒の実態や標準授業時数を踏まえ、各学校の指導体制に合った授業時数を設定する必要性を示した。学級閉鎖など不測の事態を過剰に意識し、標準授業時数を大幅に上回って教育課程を編成する必要はないとし、学校における働き方改革に配慮した対応を検討するよう要請した。

 2日行われた記者会見で柴山昌彦文部科学大臣は「標準授業時数を大きく上回った教育課程を計画・実施することは、教師の負担増加に直結する」と強調。

 児童生徒の学習状況などを考慮して年間授業計画を精査し、必要な場合、授業時数の見直しなどの措置を年度途中でも早い段階で講じるよう求めるとした。

(解説 2019-04-05付)

その他の記事( 解説)

【解説】ALの視点に立った学習空間

 国立教育政策研究所は、「アクティブ・ラーニングの視点に立った学習空間に関する調査研究」報告書をまとめ、Webページに公開した。主体的・対話的で深い学びの視点に基づく授業改善、授業実践を行う...

(2019-04-12)  全て読む

【解説】大学入学者選抜 ミス防止の取組

 文部科学省は、大学入学者選抜におけるミスの防止等にかかる取組の実施状況をまとめた。30年度および31年度大学入学者選抜の個別学力検査における試験問題・解答の公表状況や公表方法を調査。31年...

(2019-04-11)  全て読む

【解説】歩行中児童の交通事故

 警察庁は「歩行中児童の交通事故の特徴等について」を発表した。30年度における歩行中の小学生の交通事故による死者数は、前年度と比べ7人増の19人と大きく増加。重傷者を含めた合計は95人減の5...

(2019-04-10)  全て読む

【解説】大学入学共通テスト実施方針

 文部科学省は、大学入学共通テスト実施方針(追加分)運用ガイドラインを策定した。実施方針の本文や方針策定に当たっての考え方を明記しているほか、検定料における配慮の対象となる受検生の範囲などを...

(2019-04-09)  全て読む

【解説】報告「障害者の生涯学習」

 文部科学省総合教育政策局に設置している学校卒業後における障害者の学びの推進に関する有識者会議は、報告「障害者の生涯学習の推進方策について―誰もが、障害の有無にかかわらず共に学び、生きる共生...

(2019-04-08)  全て読む

【解説】高校における献血の受け入れ

 道教委は3月下旬、通知「高校等における献血にふれ合う機会の受け入れについて」を道立高校長、中等教育学校長などに発出した。道内の高校、中等教育学校、特別支援学校などにおいて、献血にふれ合う機...

(2019-04-04)  全て読む

【解説】新元号は「令和」

 政府は1日、元号を「令和」(れいわ、ローマ字表記はReiwa)に改める政令を決定、公布した。皇太子殿下が新天皇に即位する5月1日から、新元号を使用する。同日、会見に臨んだ安倍晋三内閣総理大...

(2019-04-03)  全て読む

【解説】学校施設整備指針の改訂版

 文部科学省は、小学校、中学校の学校施設整備指針の改訂版を作成した。学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議の検討に基づき改訂したもの。新学習指導要領への対応、ICTを活用できる施設整備な...

(2019-04-02)  全て読む

【解説】文部科学省創生実行計画

 文部科学省は、省の創生の在り方と実行方策をまとめた文部科学省創生実行計画を公表した。変革すべき組織風土と今後の方向性、基本方針や行動指針を提示。省創生に向けた具体的取組や今後の工程表を示し...

(2019-04-01)  全て読む

【解説】2月末少年非行等概要 道警

道警本部は、ことし二月末における少年非行等の概況をまとめた。検挙・補導された非行少年は、二月末時点で百五十八人(うち女子二十七人)。前年同期比八人、五・三%増加した。  内訳は、刑法犯が八...

(2019-03-29)  全て読む