【解説】ALの視点に立った学習空間
(解説 2019-04-12付)

 国立教育政策研究所は、「アクティブ・ラーニングの視点に立った学習空間に関する調査研究」報告書をまとめ、Webページに公開した。主体的・対話的で深い学びの視点に基づく授業改善、授業実践を行う際の学習空間(施設・学校用家具・設備等)の活用方法や課題を調査。オープン形式の教室は、普通教室と比べて多様な教室が使用される一方、「聞きやすさ」の評価が低いとし、音響計画の重要性を指摘している。

 優れた授業改善に積極的に取り組んでいる小・中学校60校を対象に調査を実施。学校・教科・教室・学習形態の4段階でデータを収集した。

 報告書は、第1部で学習空間の活用状況や教員による評価を質問紙調査の結果から分析。第2部で学校運営や組織運営などの視点に基づき、学習空間の課題を分析している。

 空間の活用状況と評価について仮説を立て検証した結果、面積が大きい学校ほど多様な教育方法や教育形態が実践されており、評価も高かったことを報告。教室間の移動しやすさを考慮した平面計画の有効性を示した。

 従前の普通教室サイズ(64平方㍍程度)については、学級規模が大きい場合や大型の設備・機器を使用する場合狭く、教員の評価が低下することから、教室内の有効スペースを確保することが有効としている。

 オープン形式の教室は、普通教室と比べて多様な教室が使用され教室間の移動が多い一方、「聞きやすさ」の評価が低い点を指摘。音響計画の重要性を指摘している。

 より広い多目的スペースは「部屋の広さ」「聞きやすさ」「教えやすさ」の3指標すべてで教員からの評価が高いことから、アクセスの良い位置に広い多目的スペースを計画することが有効とした。

(解説 2019-04-12付)

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