【解説】歩行中児童の交通事故

（解説 2019-04-10付）

　警察庁は「歩行中児童の交通事故の特徴等について」を発表した。30年度における歩行中の小学生の交通事故による死者数は、前年度と比べ7人増の19人と大きく増加。重傷者を含めた合計は95人減の572人となった。26～30年度の累計死者・重傷者数は、小学1年生が1137人と最も多く、5月中・下旬にピークを迎えることが分かった。

　26～30年度の合計死者・重傷者数は、5776人で、学年が上がるにつれて減少する傾向にある。自転車乗車中の死者・重傷者数は5年生、4年生、6年生の順に多く、高学年ほど多くなっている。

　26～30年度の死者数の合計は160人。内訳は、歩行中の事故が81人と約半数を占め、自転車乗用中が44人、自動車乗車中が34人、二輪車乗車中が1人となった。学年別では小学1年生が最多で、学年が上がるにつれて減少する傾向にある。

　月別の死者・重傷者数は5月が最も多く、特に1年生の第1のピークは同月中・下旬。

　時間帯別では登校時間の午前7時台、下校時間以降の午後3～5時台に集中している。

　違反別では、安全を確認しない路上への飛び出しが38・9％で、以下「横断違反（横断歩道外横断、走行車両以外の直前直後横断など）」が17・6％、「信号無視」が3・7％、「路上遊戯」が3・6％で、「違反なし」が33・7％あった。学年別では、小学1年生の「飛び出し」が356人で最も多い。

　警察庁は、これらの特徴を踏まえ、関係機関・団体などと連携した広報啓発活動を推進。通学路における児童に対する通行方法の街頭指導を行うとともに、速度違反、横断歩行者妨害などの交通取締りを推進するとしている。

(解説 2019-04-10付)