【解説】学校施設整備指針の改訂版

（解説 2019-04-02付）

　文部科学省は、小学校、中学校の学校施設整備指針の改訂版を作成した。学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議の検討に基づき改訂したもの。新学習指導要領への対応、ＩＣＴを活用できる施設整備など、変化に対応できる施設整備の観点から記述内容を充実させた。

　文科省では、学校教育を進める上で必要な施設機能を確保するため、学校施設の計画・設計における留意事項を示した学校施設整備指針を学校種ごとに策定。平成4年に作成し、学校施設を取り巻く社会状況の変化等を踏まえ、数次にわたり見直しを行ってきた。

　今回の指針では、学習指導要領の改訂や学校施設を取り巻く今日的課題に対応するため、学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議において検討。新学習指導要領への対応、ＩＣＴを活用できる施設整備、インクルーシブ教育システムの構築に向けた取組、教職員の働く場としての機能向上、地域との連携・協働の促進、学校施設の機能向上など、変化に対応できる施設整備の観点から記述内容を充実させた。

　ＩＣＴ環境の充実としては、児童生徒の主体的な活動および自らの意思で学ぶことを支え、情報活用能力の育成や校務情報化の推進に資するため、無線ＬＡＮの整備など、ＩＣＴを日常的に活用できる環境の整備、情報端末・大型提示装置等の機器の導入を積極的に行う重要性を明記。また、情報を効果的に活用したり、生み出したりするために、様々な情報を管理できるセンター機能を整備することが重要としている。

　文科省は、既存施設の改修を含めた学校施設の今後の整備に際し、この指針が活用され、設置者の創意工夫のもとに児童の成長を支える場にふさわしい環境が全国で形成されていくことに期待している。

(解説 2019-04-02付)