道立高校等のインターンシップ―道教委 目的意識不足の課題も 受入側 生徒の精神的弱さ指摘
(道・道教委 2019-04-18付)

30年度・道立高校(全日制)等におけるインターンシップ体験授業
30年度 道立高校(全日制)等におけるインターンシップ体験授業(クリックすると拡大表示されます)

 道教委は、30年度における全日制の高校および中等教育学校のインターンシップ実施状況をまとめた。3年間を通してインターンシップを1回以上体験した生徒の割合は64・1%で、前年度より1・5ポイント減少。生徒に関する課題として、インターンシップの学習の取り組み方に意識の差が大きいことやインターンシップの目的や意義などの理解が不足していることなどが挙がった。一方、受け入れ事業所側からは、他校との実施時期が重なり、受け入れが困難なこと、精神的な弱さがある生徒が増えていることを指摘する声などが挙げられた。

 国立教育政策研究所の調査に基づき、全日制の道立高校、道立中等教育学校を対象に、ことし3月現在のインターンシップ実施状況をまとめたもの。

 30年度の実施学校数は約200校で、実施率は98%。地震や台風等の影響によって実施できなかった学校もあった。

 学科別の実施割合をみると、普通科が98・6%、専門学科が87・5%、職業学科が95・6%、総合学科が86・7%。

 学年別の実施割合は、1年生が1・3ポイント増の18・9%、2年生が3・1ポイント減の44・1%、3年生が0・8ポイント減の8・0%だった。

 3年間を通して、インターンシップを1回以上体験した生徒の割合は、1・5ポイント減の64・1%。普通科、専門学科、職業学科は減少し、総合学科のみ増加した。

 職業分類では「専門的・技術的職業従事者」が33・0%で最も多く、次いで「サービス職業従事者」19・4%、「管理的職業従事者」11・3%の順に多かった。

 インターンシップの実施日数は「1日」が45・1%、「2日」が25・7%、「3日」が23・8%など。日数に関して「そのままでよい」が85・4%、「増やしたい」が10・0%、「今後減らしたい」が4・6%となった。

 事前指導にかける時間は「0時間」が58・7%「1~5時間」35・6%など。事後指導は「0時間」が45・2%で最も多く、次いで「6~10時間」が29・9%だった。

 事前指導の内容について最も重視している取り組んでいるものには「インターンシップの目的を設定・確認させる指導」が多く挙げられた。

 事後指導で重視しているものは「報告書やレポート作成などインターンシップを評価させる指導」と「発表会やポスターセッションなど、インターンシップの成果を共有させる指導」と回答する学校が多かった。

 生徒に関する成果では「進路意識を明確にすることができた」が71・2%、「自己の個性や適性を把握し、自己理解」が65・7%で、いずれも前年度よりやや減少。

 生徒に関する課題としては「インターンシップの学習の取り組み方に意識の差が大きい」「インターンシップの目的や意義などについて理解が不足している」などが挙がった。

 一方、受入事業所側の課題としては「他校との実施時期が重なり、受け入れが難しい」「精神的な弱さのある生徒が増えており、指導の方向性について苦慮している」などが挙げられた。

(道・道教委 2019-04-18付)

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