【解説】交通安全業務計画　文科省

（解説 2019-05-07付）

　文部科学省は、２０１９年度交通安全業務計画を策定した。文科省および都道府県が講ずべき施策に関する計画作成の基準とするべき事項を定め、交通安全に関する施策を計画的に推進することを目的に策定。安全な道路交通環境づくりや生涯にわたる交通安全教育に関する具体的な施策を明記している。

　計画では、主要対策として、①安全な道路交通環境づくりの促進②生涯にわたる交通安全教育の振興③青少年の暴走行為の防止④救助・救急体制等の整備⑤交通安全に関する科学技術の振興―の５項目を設定。

　安全な道路交通環境づくりの促進では、通学路における交通安全や学校体育施設等の開放の促進について記載。教育委員会・学校、家庭、警察、道路管理者などの関係機関で連携し、地域全体で通学路の安全確保を効果的に行うことの重要性を示している。

　生涯にわたる交通安全教育の振興では、学校における交通安全教育として自転車の安全利用に関する指導の在り方を明記。また、幼児、小学生、中学生、高校生それぞれに対する交通安全教育の指導方法も掲載している。

　交通安全に関する科学技術の振興では、文科省所管の独立行政法人において実施する陸上交通や航空交通の安全に関する科学技術振興に向けた取組を紹介。防災科学技術研究所において、吹雪・雪崩や路面凍結などの発生予測に関する研究を野外観測や雪氷環境を人工的に再現した室内実験によって行うことや、宇宙航空研究開発機構が航空輸送の安全に関する研究開発などを推進するとした。

　計画の実施に当たり文科省では、教育委員会、学校、公民館等関係機関と緊密な連携を図るとともに、広く幼児児童生徒の保護者を含む国民各層の協力を求めている。

(解説 2019-05-07付)