【解説】30年度教員採用 倍率4・9倍
(解説 2019-04-26付)

 文部科学省は、30年度公立学校教員採用選考試験(29年度実施)の実施状況をまとめた。競争率は全試験区分合わせて4・9倍で、前年度の5・2倍からやや低下。23日の記者会見で柴山昌彦大臣は、競争率の低下について教員数や受験者数の減少など複合的に関連していると分析。教職の魅力の発信や働き方改革を進め、多くの人に教職を志してもらえるよう取り組んでいくと述べた。

 各都道府県・指定都市教委が実施した採用選考検査実施状況をまとめたもの。

 受験者総数は16万667人で、前年度から3・3%の減少。採用者総数は3万2985人で3・2%の増となった。

 競争率は全体で4・9倍。試験区分別では小学校が3・2倍、中学校が6・8倍、高校が7・7倍、特別支援学校が3・5倍、養護教諭が6・7倍、栄養教諭が7・4倍で、高校以外で低下した。

 なお、本道全体の競争率は3・9倍で、前年の4・5倍から低下。内訳は小学校が2・5倍、中学校が6・8倍、高校が5・7倍、特別支援学校が2・9倍などいずれも低下した。

 柴山大臣は、競争率低下の要因として、大量の教員の定年退職に伴い多くの教員を採用する必要性が生じていること、民間企業などの採用が活発化し、受験者が減少していることなどが複合的に関連しているとの見方を示した。

 今後、多くの教員が退職することが見込まれることから「教員確保に関する厳しい現状を踏まえ、より一層、退職教員の活用、社会人の積極採用などの工夫をしてほしい」と各任命権者に求めたほか、「高度専門職業人としての地位を確立し、教職としての魅力を発信するとともに働き方改革を進め、多くの人に教職を志してもらえるように取り組む」と述べた。

(解説 2019-04-26付)

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