【解説】プログラミング教育の状況

（解説 2019-05-31付）

　文部科学省は「平成３０年度教育委員会等における小学校プログラミング教育に関する取組状況等について」を公表した。小学校プログラミング教育が必修となる令和２年度に向けた取組状況について、前年度と比較して先行的に授業を実施している自治体等の割合が大幅に増加し、特に取組をしていない自治体等の割合が大幅に減少した。

　文科省の委託を受け、ＮＴＴラーニングシステムズ㈱が小学校プログラミング教育に関する取組状況の実態を把握するため、小学校教育を所管する全国の１７４５教委を対象に調査。うち、１０１１教委が回答した。

　調査では「プログラミング教育の担当者の配置」「教育委員会・管内小学校・教員の取組状況・内容」など９つに分類し、質問した。

　小学校プログラミング教育が必修となる来年度に向けた取組状況では、ステージ０「特に取組をしていない」が４・５％で前年度と比べ、５２・３ポイント減少。ステージ１「担当を決めて取り組んでいる」が１６・４ポイント増の２９・９％、ステージ２「研究会や研修を行っている」が１・１ポイント増の１３・６％、ステージ３「授業を実施している」は３５・９ポイント増の５２・０％となった。

　また、調査結果から、大規模な自治体と比較して、小規模な自治体等での取組が遅れていることや、担当者を配置している自治体等と比較して配置していない自治体等は取組が遅れていることなどが明らかになった。

　これらを受け、文科省では、今後の施策の方向性として、取組が遅れている小規模自治体等に行き届く支援を行うほか、すべての小学校における円滑なプログラミング教育実施に向けた情報提供等の充実を図ることとしている。

(解説 2019-05-31付)