【解説】教員の週当たり仕事時間

（解説 2019-06-25付）

　ＯＥＣＤ国際教員指導環境調査（ＴＡＬＩＳ）２０１８報告書によると、日本の教員の１週間当たりの仕事時間は中学校が５６時間、小学校が５４・４時間と参加国中最長であることが分かった。

　ＴＡＬＩＳは、教員・校長への質問紙調査を通じ、職能開発などの教員の環境、学校での指導状況など国際比較可能なデータを収集し、教育に関する分析や教育政策の検討に資することを目的とする。

　４８ヵ国・地域が参加し、前期中等教育は全参加国・地域で、初等教育は１５ヵ国・地域で調査。日本では２０１８年２月から３月に調査を行った。

▼教員の仕事時間

　中学校教員の１週間当たりの仕事にかける時間は参加国平均で３８・３時間。一方、日本の中学校教員は５６時間、小学校教員は５４・４時間で参加国中最も長い。職能開発活動にかける時間は日本の中学校０・６時間、小学校０・７時間に対し、中学校教員の参加国平均は２・０時間。

▼指導実践

　批判的に考える必要がある課題を与えることを「しばしば」または「いつも」行うと回答した割合は、中学校教員の参加国平均で６１・０％。一方、日本の中学校教員は１２・６％、小学校教員は１１・６％と大きな差があった。

▼教員になる際の動機

　日本の中学校教員が教員になる際の動機として「非常に重要」または「ある程度重要」だったと回答した割合は「子どもや若者の成長に影響を与えられる」が８９・０％（参加国平均９３・２％）で最も高い。

▼仕事に対する満足度

　日本の中学校教員は参加国平均と比べ「教職は社会的に高く評価されている」と回答した割合が高い一方、「現在の学校での自分の仕事の成果に満足している」と回答した割合は低い。

(解説 2019-06-25付)