興部町の教育行政執行方針　全小中で標準学力検査　個に応じた指導を充実　

（市町村 2019-06-28付）

興部町教委・畑山研二教育長

　【網走発】興部町教委の畑山研二教育長は令和元年度教育行政執行方針で、すべての小・中学校で知能検査や標準学力検査を実施し、より適切な学習指導と進路指導につなげるなど個に応じた指導の充実に努める考えを示した。また、沙留小学校に引き続き臨時教員を配置し、複式学級の解消を図る。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼確かな学力を育む教育の充実

　学習習慣の確立・学力向上と個別指導の充実では、小・中学生を対象に、興部高校生による学生ボランティアを活用し、長期休業中における補習学習サポートを実施する。各教科の指導に当たっては、複数の教員が役割を分担しながら授業を行うチーム・ティーチングなど個に応じた指導に取り組む。また、学年別の家庭学習の手引きを各家庭に配布し、家庭での学習習慣の確立を図るため積極的な活用を促す。

　全国学力・学習状況調査および標準学力検査の結果分析を踏まえ、学校の実態に応じた授業改善や学習指導の充実を図るとともに、チャレンジテストの活用や補充学習などを実施し、下位層の児童生徒の学力向上に努めるなど、基礎学力の定着に努める。

　また、すべての学校において、知能検査や標準学力検査を実施し、基礎的・基本的な学習状況の把握を行い、より適切な学習指導と進路指導につなげるなど個に応じた指導の充実に努める。

　外国語（英語）教育については、小・中学校ともに、外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方の育成が重視されることから、教員に対し外国語教育研修への参加を促すとともに、本年度もＡＬＴ１人を小・中学校に派遣する。

　学習・授業環境の充実では、沙留小においては、町の臨時職員として教員を雇用し、複式学級の解消と学力の維持向上・指導体制の充実を図る。

　小・中学校にタブレット端末を整備するなど、ＩＣＴ機器を効果的に活用した取組も進める。

　小学校３・４年生で使用している社会科副読本『おこっぺ』を最新の内容に改訂し、副教材として活用することで、子どもたちが自分の住む町・育つ町を理解し、郷土愛に満ちた心の成長を目指した指導に努める。

▼豊かな心と健やかな身体の育成

　道徳の時間については、各学校の道徳教育推進教員が中心となり、考え、議論する道徳への授業改善を進める。また、自立心や自他の生命を尊重する心を育むとともに、社会参画への意欲や態度を身に付けられるよう、地域の豊かな自然を生かした体験学習をはじめボランティア活動、職場体験を通して、奉仕の精神や人を思いやる心、健康な生き方、働くことの尊さが実感できる心の教育を進める。

　いじめ問題への対応については、学校・家庭および関係機関との連携強化を図りながら、問題の未然防止、早期発見の取組を進めるとともに、各学校が実施する定期的な調査などを通じ、加害者、傍観者もいじめの加害者となり得るとして、いじめを許さないいじめのない学校づくりに努める。

▼特別支援教育の推進

　言語治療の必要な児童については、紋別市立紋別小学校に設置されている特別支援学級「ことばの教室」と連携し、運営費を負担するほか、児童の通級にかかる交通費の負担軽減を図る。

▼信頼される学校づくりの推進について

　昨年導入した学校運営協議会の活動を通じて、地域とともにある学校づくりを一層進め、家庭や地域が学校運営の基本方針や活動計画などを共有・参画し、学校改善につなげていくとともに、学校自己評価、児童生徒や保護者向けアンケートなどの取組を充実させ、児童生徒、保護者、地域等の意見が反映された学校づくりを推進する。

　教職員の業務改善については、平成３０年度に策定した学校における働き方改革町行動計画および部活動の在り方に関する方針に基づき、教職員の勤務時間の適正化への取組を進め、授業改善などに要する時間の確保に努める。

▼興部高校への支援

　本年度は２０人が入学し、基本的な存続要件の２０人以上を確保できたが、引き続き様々な支援策を講じ、興部高校間口確保対策協議会や西紋地区教育文化振興会とも連携を図りながら、生徒数の確保や存続に向け取り組む。

　また、地域連携特例校として、興部高に設置される学校運営協議会とも連携し、学校の魅力化や特色づくりを図る取組への支援を進める。

(市町村 2019-06-28付)