発表に見通しもたせる授業 道教育大附属札幌小が研究大会
(学校 2019-07-10付)

附属札幌小研究大会
総合では、〝ロボット〟に紹介させる附属小の魅力を考えさせた

 道教育大学附属札幌小学校(髙久元校長)は5日、同校で教育研究大会を開いた。研究主題「自己を創る学びをデザインする子ども」のもと、国語、社会、算数、理科、英語、音楽、図画工作、家庭、体育、道徳、生活、総合、食育の18授業を公開。うち、3年2組の総合では、プログラミングして“ロボット”に附属小の魅力を発表させる項目を考えることで、児童があらためて附属小の魅力を考え、発表内容などに見通しをもたせる授業を展開した。

 同校では、研究主題を「自己を創る学びをデザインする子ども」と設定し、研究を進めている。2年次目の研究となることから、今回新たに副主題を「“自覚”から見つめる“深い学び”」と据えた。

 18授業のうち、3年2組(児童数35人)の総合の単元では、あいの里の魅力の紹介に向けた授業を展開している。

 本時は25時間扱いの6時間目。米川颯寿教諭と樋渡剛志教諭のチーム・ティーチングによる授業で、目標を「何を“ロボット”に発表させるかを吟味する活動を通して、附属小学校の魅力を考え、これからの調査内容や発表方法についての見通しをもつ」と設定した。

 これまでの授業では、あいの里の魅力の紹介に向けて、あいの里にある同校に着目。来校者に附属小を紹介するに当たって、その魅力を考えさせたり、他学年をインタビューするなど、附属小の魅力を明確にさせた。

 これまで考えた附属小の魅力19項目を確認したあと、“ロボット”にどの魅力を発表させるかを問いかけた。 

 附属小の紹介に当たっては、オープンスクールや研究大会の来校者、実習生などが対象となることから“ロボット”を使う条件を「来校した人に」「玄関で聞くもの」「附属小をさらに見たくなるように」の3点に整理した。

 全体交流では、「給食は自分で紹介したい」という声に理由を問いかけた。「味は分からないと思うから」と話したのに対して、他の児童も「行事も自分たちが経験しているから自分たちで伝えたい」と話すなど、“ロボット”に発表させる内容を考えさせることで、より良い発表に向けて追究していく姿を引き出した。

 “ロボット”に紹介してもらう内容について、ペアでタブレットを使い、プログラムを作成。全体交流では児童がそれぞれつくったプログラムを見た。他者の考え方をとらえることで「(“ロボット”に)写真を使って紹介してもらいたい」「(附属小の魅力について)もっと人にインタビューしたい」など、附属小の魅力をあらためて考えるほか、発表内容を再吟味したり、発表方法を考えたりする姿を引き出した。

 分科会では、米川教諭と樋渡教諭の授業について、札幌市教委教育課程担当課の渡辺一生義務教育担当係長は「探究的な学習の中で子どもたちが必要感をもって、一部の説明でプログラミングを使うなど、課題解決に向かおうとしていた」と話した。

(学校 2019-07-10付)

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