道教育大附属釧路小・中がセミナー 算数数学の授業改善へ 明星大・細水客員教授招き(学校 2019-07-10付)
出前授業を行う細水客員教授
【釧路発】道教育大学附属釧路小学校(内山隆校長)と道教育大学附属釧路中学校(早勢裕明校長)は6月27日、算数数学の授業改善に向けた授業力向上セミナーを開いた。明星大学客員教授の細水保宏氏が出前授業を行ったほか、小・中それぞれの授業を公開。道東各地から約100人が参加し、主体的・対話的で深い学びについて研鑚を深めた。
附属小の高瀬航平教諭が1年生の「のこりはいくつ ちがいはいくつ」、附属中の赤本純基教諭が1年生の「文字式の利用」の授業をそれぞれ公開した。公開に先立ち、講師として招いた細水氏(元筑波大学附属小学校副校長)が附属小4年生の出前授業を行った。
細水氏が釧路で出前授業を行ったのは、今回で5回目。以前、細水氏の公開授業を参観した教師が感銘を受け「ぜひ釧路でも授業を」と申し出たことがきっかけとなって交流が始まった。
細水氏の出前授業は「つながる・広がる・深まる」の視点から算数の授業づくりを探るもの。「1+2+3+・・・+9=?」という課題を複数のやり方で解決したあと、「11+12+13+・・・+19=?」の課題Ⅰに挑戦した。
課題Ⅰの考え方をもとにしながら多様な考え方を駆使して取り組んだ。自分の考えを相手に分かりやすく伝えるにはどうしたらよいか、また自分と違う考え方を理解するにはどうしたらよいかなどを、様々な活動を通して体感し、算数の楽しさを児童に感じさせた。
子どもたちからは、「分かった」「この考え方も面白いね」などの声があちこちから聞こえた。授業を受けた佐々木心優さんは「一つの問題にいろいろな考え方があった。たくさんのやり方があると分かって勉強になった」と話した。
出前授業のほか、細水氏は「算数のよさや美しさ、考える楽しさを味わう授業づくり」と題して講演。算数のよさや美しさに迫るためには、「簡潔さ」「明瞭さ」「的確さ」「統一性」が必要なこと、考える楽しさに向けては「発見する楽しさ」「創る楽しさ」「活用する楽しさ」を意識することの大切さを示した。
考え、表現したくなる場をつくったり、学び合う空気を認め合う学級をつくったりすることや、教師自身が算数を楽しむ心をもつことが重要とした。
また、「はらはら、どきどき、わくわくする授業を創る」ことが主体的・対話的で深い学びにつながるとし、授業力を鍛えることを求めた。その手立てとして、①授業観をもつ②教材研究力を鍛える③学習指導力を鍛える④豊かな人間性をもつ―の4点を挙げた。
最後に、細水氏は「学力向上の特効薬は算数好きにすること」と力説。教師自身が楽しむ心をもって授業に臨むことに期待した。また、授業力を鍛えることはもちろん、なにより教師の人間性を豊かにしていくことが最も大切な心であることを訴えた。
セミナーに参加した釧路市立湖畔小学校の大浦裕太教諭は「考えを称賛し、学級全体が認めていくことで子どもたちの成長がみえた授業だった。細水先生の発問や問い返し、立ち位置など、参考にするところがたくさんあり、とても勉強になった」と話した。
運営に携わった釧路算数数学教育研究会(佐藤一浩会長)は、来年度も細水氏による出前授業と講演会を予定している。
(学校 2019-07-10付)
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