少年の主張オホーツク地区大会 ゴミの少ない世界へ 北見市温根湯中3年・本條君
(学校 2019-07-23付)

 【網走発】オホーツク総合振興局主催の少年の主張オホーツク地区大会が17日、網走市立第二中学校で開かれた。管内の中学生6人が日ごろの生活で感じたことなどを発表。審査の結果、「ゴミの少ない世界へ」と題して発表した北見市立温根湯中学校3年の本條文士君が最優秀賞に輝いた。本條君は9月5日に札幌市で開かれる全道大会に出場する。

 本條君は、日本は国民一人当たりのごみ排出量が世界1位であると指摘。原因として、「使い捨ての物の量が多い」「おもてなしの心」の2点を挙げ、ごみが環境に悪影響を及ぼすことを訴えた。ごみを減らすためには、一人ひとりがリサイクルや使い捨てに気を付けるよう呼びかけた。

 本條君の発表概要はつぎのとおり。

 僕は今回、地球のごみ問題について調べました。そして、自分が思っていた以上にこのごみ問題というものが深刻かつ重要であることに気が付きました。なので今回は、皆さんにも、このごみ問題がいかに重要であるかを感じてもらえればと思います。

 皆さんは、日本はいったいどれくらいのごみを排出しているかご存知でしょうか。国全体の排出量では、国土や人口が違っていて単純に比較できないので、国民一人当たりの排出量を調べ、他の国と比較しました。

 その結果、年間の一人当たりのごみの排出量は、日本が世界で1位であることが分かりました。そして、その排出されるごみの量は圧倒的です。排出量2位のフランスは180㌔㌘で、これも相当な量ですが、日本はそれをはるかに上回る320㌔㌘もあるのです。日本は国土こそ小さいので、国の総排出量としては世界で1位にはなりませんが、それでも6位と、上位には入ってしまいます。この状態が続いたり、悪化してしまえば日本はごみの国と呼ばれるかもしれません。

 では、なぜ日本はこんなにごみの排出が多いのでしょうか。原因は主に使い捨ての物の量が多いことと、日本のおもてなしの心、この2つにつながります。

 まず、使い捨ての物の量が多いというのは、言葉通りで、日本人は、生活雑貨や文房具は使い切らずに捨てたり、テレビやパソコンは故障したり傷がついているわけでもないのに買い替えたりと、物を大切に最後まで使う心が希薄です。

 そして2つ目は、日本の文化であるおもてなしの心が関係しています。一見すると、礼儀正しく素晴らしいようにみえます。確かに、実際そうではあるのですが、おもてなしの心のせいで、商品を売るお店では商品を汚すことなく安心してお客様に渡したいという気持ちが強過ぎてしまい、過剰包装という結果になってしまうのです。おもてなしの心自体は本当に素晴らしいものですが、ごみ問題の観点からすると、無駄なごみを大量に出していると言わざるを得ません。

 つぎに、皆さんはごみの島というものを聞いたことはあるでしょうか。ごみの島というのは、海に流されたごみが海流によって一点に集中してできる島のことで、この島のごみの大半はプラスチックです。

 皆さんご存知のとおり、プラスチックは自然に溶けたり浸食されずに面積をどんどん広げ続けています。そして、この島は複数存在し、その中には日本国土の倍以上の大きさのものも存在します。

 この島のように、海に流れ出たごみは動物にも大きな影響を与えています。ごみは、食べ物の匂いがしみこんでいるため、鳥やアザラシ、クジラなどが誤って飲んでしまい、死んでしまうことが多々あります。

 ほかには、プラスチックが日光により分解され、極小の粒となり海全体に広がっていて、海水の全体の88%にはプラスチックが含まれているとも言われています。

 つまり、海にいる魚たちは知らずに有毒なプラスチックを飲んでいるということです。そして、忘れてはいけないのが、その魚を私たち人間が食べているということです。いずれ魚介類の食べ物はなくなってしまうかもしれません。

 皆さんには、ごみ問題について危機感をもっていただけたでしょうか。しかし、意識をもつだけではごみの排出を減らすことはできません。

 日本は一度ごみを燃やして小さくしてから埋めたてをしています。プラごみも同じ方法で処理していますが、プラスチックは燃やすとダイオキシンという有害物質が出てしまい、さらに埋めてしまっては土壌汚染になってしまいます。しかも、環境省によるとごみを埋め立てる処分場はあと10年ほどで満杯になってしまうそうです。

 日本という国がごみで埋まらないようにするには、私たち一人ひとりがリサイクルや使い捨てに気を付け、排出するごみを減らしていくしかないと思います。一度自分の生活を振り返ってみて下さい。少し工夫をするだけで減らせるごみがあるのではないでしょうか。

(学校 2019-07-23付)

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