4種校長会長インタビュー① 北海道小学校長会 大石幸志氏 教員が自身を“研ぐ”時間重視 指導力向上が業務改善に効果(関係団体 2019-07-10付)
道小学校長会・大石幸志会長
―会長としての抱負
道小学校長会は前年度、昭和32年の発足から62年目を迎えた伝統ある組織である。これまで、北海道の教育が幾多の困難に直面する中、「正論を以って正道を歩む」という理念のもと、校長の職能向上と北海道教育の振興・発展を図ることを目的として、長きにわたって活動を行ってきた。全道1014人の会員一人ひとりが北海道教育の質の向上のために、真摯に取組を進めている。
今後も、このような伝統を引き継ぎ、全道の校長と力を合わせながら目的の達成に向けて努力を積み重ねていきたい。
地域による教育事情は様々かと思うが、各地区校長会が道小という組織を通して、大同団結していくことが大切である。それが全国連合小学校長会の活動の充実、教育改革にも結び付いていくと確信している。
この道小という組織を活性化させるとともに、道教委、道中学校長会、道PTA連合会、民間教育団体等の教育関係諸団体などとも連携を図りながら、「未来を見据え、チーム北海道として進む道小」として、北海道教育の質の向上に努め、令和元年の第一歩を踏み出していきたい。
―課題と対策
各学校においては、来年度の新学習指導要領全面実施に向けた準備が進んでいる。特に、本年度は、学習評価を学校全体で理解し取り組むための研修や組織が必要になってくる。
また、学校における働き方改革において教員の長時間勤務の是正が求められる一方、小学校の教員採用選考検査の倍率低下や人材確保・人材育成などが課題となっている。
さらに、いじめ・不登校などの生徒指導上の問題への対応、貧困・児童虐待などの課題を抱えた家庭への対応、特別な支援を必要とする児童への対応、保護者へのきめ細かな対応など、課題は複雑化・困難化している。
校長が緊急かつ重要な業務や重要でない業務に時間の多くが取られていないか、学校の業務をスクラップ・アンド・ビルドし、緊急ではないが重要な研修の時間を十分に確保できるようにしていきたい。研修によって優れた授業力・指導力を高めることは、緊急かつ重要な業務にかかる時間を縮め、やがて業務改善に大きな効果をもたらす。
切れない鋸で木を切っていても、時間がかかるだけである。鋸の歯を研ぐこと、つまり、教員が自分を研ぐ時間を重視することが、長時間労働の改善につながると考える。しかし、各学校では、経験の少ない教員が急増し、教育技術を伝える中堅層の教員が少ない状況である。経験の少ない教員を育てるシステムづくりが求められる。行政機関とも連携しながら、校長会でも現場の声を聞きながら創意工夫を図りたい。
また、教員に加えて、外部の多様な専門性をもつ人材の協力を得るなど、様々な業務を連携・分担しながらチームとして職務を行うことによって、学校の教育力・組織力を向上させることも重要である。教員の業務を見直し、本来の業務に専念できるような体制を整備していく必要がある。
おおいし・こうじ
昭和59年道教育大札幌分校卒業後、滝上町立濁川小に赴任。平成21年札幌市立藻岩小教頭、24年札幌市立石山小教頭、25年札幌市立苗穂小校長、30年札幌市立豊平小校長。
昭和34年12月14日生まれ、59歳。斜里町出身。
(関係団体 2019-07-10付)
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