【解説】教育現場のクラウド活用

（解説 2019-07-10付）

　総務省は「教育現場におけるクラウド活用の推進に関する有識者会合」報告書を公表した。教育システムのクラウド化に関する課題を整理し、改善に当たって国が取り組むべき事項を６点提言。ことし夏までに、技術的に安全なクラウド導入の手法を示す必要性を示した。

　クラウドとは「クラウド・コンピューティング」の略で、インターネットを通じてソフトウェアやデータなどを利用するコンピューターの利用形態。総務省は昨年１１月から同会合を開催し、教育委員会が少ない負担でクラウドを導入できる望ましい在り方を検証し、教育の情報化を進めるために検討している。

　報告書では、教職員等の負担やコストの軽減、安全・安心なデータの保存・利活用など、教育現場におけるクラウド活用のメリットを４点提示。近年発生した学校教育ＩＣＴ環境の大きなインシデントの要因として、現場関係者の理解不足を指摘している。

　教育システムのクラウド化に関する阻害要因を分析した上で、国が取り組むべき事項を６点提言。教育現場でシステム導入を検討する際、まず、クラウドから検討を始めることや、調達するクラウドサービスの安全性を評価する第三者評価を求めることを明示する必要性を示した。

　教育ネットワーク構築の在り方の柔軟なセキュリティ確保モデルの提示や文部科学省「教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」の見直しを提言。ことし夏までに技術的に安全なクラウド導入の手法を示す必要性を挙げた。

　このほか、事業者が適正に児童生徒のデータを取り扱っていることを第三者が認証する仕組みづくり、クラウドを利用した遠隔教育に関するガイドライン整備の検討に着手すべきとした。

(解説 2019-07-10付)